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特集 医療の拡大がもたらす社会の厚生―医療費亡国論再考
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著者: 河北博文1
所属機関: 1医療法人財団河北総合病院
ページ範囲:P.253 - P.253
文献購入ページに移動この文章は1983年3月に『社会保険旬報』に掲載された,当時の厚生省保険局長 吉村仁氏の論文の出だしである.この論文では,国民負担率が上昇すると当時の英国や西ドイツ,スウェーデンのように社会の活力が失われてしまうという危惧を示し,そのためには公共医療費の総枠の抑制と治療中心の医療から,予防・健康管理・生活指導などに医療の重点を置くことが効率的であると述べられ,さらに医療の需要と供給ともに過剰であり,医師養成数の下方修正,病床数の削減,高額医療機器導入の制限などが提案されている.また同時に,地域医療における医療機関のネットワークの重要性や質のよい医療へ医療費の重点配分なども示されている.
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