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連載 より良い高齢者終末期ケア体制の構築に向けて・4
米国の高齢者終末期ケアの動向③―終末期の意思決定(上)
著者: 岡村世里奈1
所属機関: 1国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
ページ範囲:P.298 - P.301
文献購入ページに移動もっとも,このように述べると,読者の中には,「米国は患者の延命治療を中止する権利が認められているはずではないのか?」「リビングウイル等の制度も充実しているはずではないのか?」等と疑問を持たれる方も少なくないであろう.確かに米国では,1990年代の前半には,数々の著名な裁判を通して患者のいわゆる「死ぬ権利」が認められている.また,連邦法や州法によって,リビングウイル等,終末期患者の意思決定を支援するための法律が数多く制定されている.しかし,それにもかかわらず,上述のような問題が多発しているのである.それは何故だろうか? 筆者は,この問題の背景には,終末期の意思決定をめぐる重要なポイントが隠されているように感じている.
そこで,今回と次回の2回は,米国の終末期の意思決定をめぐる法制度やその運用状況を紹介しながら,その「終末期の意思決定をめぐる重要なポイント」について考えていきたいと思う.
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