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文献詳細

雑誌文献

病院69巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 長期療養ケアにおける看護の役割

急性期病院から長期療養病院・施設にケアをつなぐ―退院支援看護師の立場から

著者: 柳澤愛子12

所属機関: 1前・東京大学医学部附属病院 地域医療連携部 2国際医療福祉大学 看護生涯学習センター

ページ範囲:P.349 - P.354

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 医療制度改革(2006年度)により医療機能の分化・連携の推進による切れ目のない医療を提供することが掲げられた.このことから入院のみで医療は完結せず,退院後のケアが必要になり,在宅または次なる病院・施設において継続して,医療・看護・介護を提供する重要性が増してきた.東京大学病院でも在院日数の短縮に向かって,病院職員全体に医療連携の円滑な運用の必要性が浸透し,成果が上がってきたと言える(図1).

 東京大学病院地域医療連携部は,退院支援を行う部として,医療社会福祉部という名称で1997年4月に設置された.筆者は,在宅療養のコーディネートを行う退院支援看護師として開設当初から関わってきた.多職種の専任スタッフ(専任医師,看護師・MSW)が全入院患者を対象に退院支援を行い,患者・家族が安心し満足できる早期退院が可能になった.しかし当病院においても退院後の受け皿を確保し,切れ目のないケアを提供することが,実際には困難を有しているのが実情である.なぜなら急性期病院からの転院・転所先として受け入れてもらえるところがことのほか少ないのが現実である.

参考文献

1)柳澤愛子:東大病院における退院支援の現状と課題.病院 66(5):386-390,2007
2)長野宏一朗,五十嵐雅哉,柳澤愛子,他:転院に向けての退院支援.大内尉義監修:高齢者の退院支援と在宅医療.メジカルビュー社,2006,pp54-59
3)葛谷雅文:慢性期病院に向けての退院支援.大内尉義監修:高齢者の退院支援と在宅医療.メジカルビュー社,2006,pp42-49
4)柳澤愛子:地域医療連携室における看護職の役割と課題.コミュニティケア 8(3):12-15,2006
3)柳澤愛子:特定機能病院の退院支援.クリニカルプラクティス 25(2):153-156,2006
1)大内尉義,村嶋幸代監修:退院支援―東大病院医療社会福祉部の実践から,杏林書院,2002,pp22-78

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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