文献詳細
特集 災害と病院
文献概要
災害対策基本法(昭和36年11月15日,最終改正:平成17年10月21日)によれば,災害は「暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう」とされている.この定義は医学的な観点からではないが,これらの災害では,われわれは身に降りかかる危険を認知することができる.またテロリズムや事故による化学物質の大量放出や体内への摂取が起これば,症状が早期に現れる.
ところが,放射線に被ばくをしても,よほどの高線量でなければ症状がすぐに現れることはない.体内汚染であれば,より症状は現れにくい.つまり原子力災害や放射線による事故・テロリズムが起きても,そのこと自体がわかるまでに時間を要することが多い.また放射線や放射能量に関しても,定量性があるもののその単位を実感することは難しく,このことが被ばく医療をわかりにくいものとしている.
ところが,放射線に被ばくをしても,よほどの高線量でなければ症状がすぐに現れることはない.体内汚染であれば,より症状は現れにくい.つまり原子力災害や放射線による事故・テロリズムが起きても,そのこと自体がわかるまでに時間を要することが多い.また放射線や放射能量に関しても,定量性があるもののその単位を実感することは難しく,このことが被ばく医療をわかりにくいものとしている.
参考文献
1)Baron JM, et al : Accidental Radiogold(198Au)Liver Scan Overdose with Fatal Outcome. International Atomic Energy Agency(IAEA)(編):Handling of Radiation Accidents, IAEA, 1969, pp399-413
2)International Atomic Energy Agency(IAEA)(編):The radiological accident in Goiania, IAEA, 1988
3)Akashi M, et al : Initial symptoms of acute radiation syndrome in the JCO criticality accident in Tokai-mura. J Radiat Res 42 Suppl : S 157-166, 2001
4)Hirama T, Akashi M : Multi-organ involvement in the patient who survived the Tokai-mura criticality accident. Br J Radiol 27 Suppl : 17-20, 2005
5)International Atomic Energy Agency(IAEA)(編):Lessons Learned from the JCO Accident in Japan in 1999 : Report, IAEA, 2009
6)原子力安全委員会・原子力施設等防災専門部会:緊急被ばく医療のあり方について,2001(2008年一部改訂)
7)中央防災会議:防災基本計画,2008
8)厚生省健康政策局長:災害時における初期救急医療体制の充実強化について,健政発第451号,1996年5月10日
9)日本集団災害医学会:平成19年新潟県中越沖地震調査特別委員会 報告書「新潟県中越沖地震で行われた医療活動について」,2008
10)Akashi M, et al : Concerns of disaster medical assistance team(DMAT)members about troubles at the nuclear power plant : experience from the Niigata Chuetsu-Oki earthquake, 16 July 2007, in Japan. Health Phys.(印刷中)
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