病院69巻6号

2010年06月発行

特別寄稿

テレビドラマの中の病院（後編）―米国ドラマ『ER』と韓国版『白い巨塔』・台湾ドラマ『ザ・ホスピタル』

著者： 渡部幹夫¹

所属機関： ¹順天堂大学医療看護学部

ページ範囲：P.460 - P.463

　筆者は，米国ドラマ『ER』日本語版の医学監修をはじめ，韓国版『白い巨塔』，台湾ドラマ『ザ・ホスピタル（原題：白色巨塔）』の日本語版制作に関わってきた．

　前回ではドラマ『ER』をめぐる米国の医学ジャーナルでの論評を紹介した．今回は，日本の隣国である韓国と台湾にて制作された医療ドラマに見られる東アジアの医療風土とメディアについて，米国と比較しての小論を試みる．

参考文献

1）山崎豊子：白い巨塔，1965，白い巨塔 続，1969，新潮社

2）『白い巨塔（韓国版）』DVD-BOX1・2，コリア・エンターテインメント／CJ Media Japan，2008

3）『ザ・ホスピタル』DVD-BOX Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ，NHKエンタープライズ，2008

4）侯文詠（著），樋口裕子（訳）：ザ・ホスピタル（上・下），角川書店，2007（原題：白色巨塔，皇冠文化出版，1999）

5）『ER　緊急救命室』（原題：ER）DVD-BOX 1-13シリーズ，ワーナー・ブラザーズ・ジャパン，1997-2009

6）NHK出版（編）：台湾ドラマ・ガイド　ザ・ホスピタル，NHK出版，2007，pp29-32

7）田中滋：日本の経済社会と医療．学術の動向，2008年1月号：19-22，2008

8）金明中：制度の発展過程から見た日本と韓国の医療保険制度．ニッセイ基礎研REPORT，2009年1月号：12-21，2009 http://www.nli-research.co.jp/report/report/2009/01/repo0901-2.pdf

9）NTTデータ，NTTデータ経営研究所：台湾における医療IT化．アジアマンスリーニュース，2009年4月号，2009 http://203.167.55.112/jw.php?jmb_u=b710da02cdbc42868037e8a2331e35b06

10）岡本悦司：韓国―医療IT活用の先進国．井伊雅子（編）：アジアの医療保障制度，東京大学出版会，2009，pp161-196

11）米山隆一，他：台湾―新たな国民皆保険制度の試み「国民医療保険（National Health Insurance : NHI）を中心に」．上掲書，pp197-236

12）南條史生：科学と芸術が出会う場としての身体．医学と芸術：生命と愛の未来を探る，平凡社，2009，pp10-18

13）渡部幹夫：Yale大学Harvey Cushing医学図書館Fry Collectionに収蔵されている江戸期日本の医療版画資料について．医療看護研究 6（1）：11-21，2010

14）高山宏：身体という「驚異の部屋」．医学と芸術：生命と愛の未来を探る，平凡社，2009，pp42-51

15）海堂尊：死因不明社会，講談社，2007

16）村上もとか：仁-JIN，スーパージャンプ，集英社，2000年9号初回，2010年4月現在連載中

17）海堂尊，村上もとか：医療はドラマだ！ 週刊朝日，1月15日号：84-86，2010

18）Diem SJ, et al : Cardiopulmonary Resuscitation on Television―Miracles and Misinformation. N Engl J Med 334（24）：1577-1582, 1996

19）Cover Story：医療観光．ニューズウイーク日本版，3月5日号：40-46，2008