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文献詳細

雑誌文献

病院69巻7号

2010年07月発行

文献概要

特集 死生観が問われる時代の医療

自己治癒力を高める

著者: 川村則行1

所属機関: 1ハートクリニック 臨床精神医学研究部

ページ範囲:P.516 - P.519

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 自己治癒力とは,人間がもつ生命力そのものである.肉体を健康な状態に維持するためには,1)恒常性維持機能,2)自己再生機能,3)生体防御機能が必要で,これらは生まれつき,すべての生き物に備わっている.恒常性維持機能は,主に自律神経や代謝エネルギー,内分泌の働きによって調節されている.特に,自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが最も重要である.

 自己治癒力を高める1)には,自己再生機能と生態防御機能を高める必要がある.恒常性の維持は,きわめて強固に保たれるので,めったなことでは破綻しない.その理由は,細胞の1個1個の遺伝子に,深くその維持機能が強固に保たれるようシステムが刻印されているからである.自己再生機能は,傷などの刺激に遺伝子が応答することによって制御されているので,細胞を取り巻く環境における恒常性がある程度維持され,栄養が十分で酸素供給が十分であればほぼ必ず機能する.

参考文献

1)川村則行:自己治癒力を高める,講談社ブルーバックス,1998
2)新里里春:カウンセリング―交流分析を中心に,チ-ム医療,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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