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文献詳細

雑誌文献

病院69巻7号

2010年07月発行

文献概要

特集 死生観が問われる時代の医療 【事例】

高齢者介護福祉施設での看取り―死の質を求めた看取りケア

著者: 櫻井紀子1

所属機関: 1特別養護老人ホーム さくばらホーム

ページ範囲:P.529 - P.532

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■利用者の重度化から看取りへの展開

 高齢者の「死に場所としての選択」を考える時,介護家族の労苦は複雑である.その思いは十分理解でき,受け皿としての施設の存在は,大変意味のあるものである.

 高齢者介護福祉施設(特別養護老人ホーム)の利用者は,重度化しているのが実態である.加齢とともに,身体機能の低下,免疫力・自然治癒力の低下が,感染症や各臓器の疾患に拍車をかけ,全身の障害進行を回避することが極めて困難になっている.さらに,ケアの質により生活行動の安定を高く求められる認知症高齢者や,疾患管理が継続して必要な多臓器不全状態の人,高齢者特有の非定型的症状の状態把握困難な人,また,転倒・誤嚥・脱水・低栄養・褥瘡発生など生命の危険リスクが高い人などが利用者の実態としてある.重度化に伴い介護量が増大し,施設現場でケアを担う人的資源が追いつかない状況にある.

参考文献

1)櫻井紀子(編著):高齢者介護施設の看取りケアガイドブック―「さくばらホーム」の看取りケアの実践から,中央法規出版,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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