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文献詳細

雑誌文献

病院69巻7号

2010年07月発行

文献概要

研究と報告【投稿】

三重大学医学部附属病院の通訳の現状と医療通訳者インタビューから見えてきたもの

著者: 前田多見1 地崎真寿美1 鈴木志保子1 佐々木知香1 成田有吾2 内田恵一1

所属機関: 1三重大学医学部附属病院 医療福祉支援センター 2三重大学医学部看護学科 基礎看護学講座

ページ範囲:P.543 - P.545

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要 旨 外国人の医療機関受診の増加に伴い,通訳者を採用した受診者のアンケート調査報告は散見されるが,通訳者の負担に焦点を当てた報告は少ない.本院では,2009年1月から3か月間,三重県国際交流財団の推薦により,ポルトガル語通訳者4人を非常勤雇用し,雇用終了時に通訳者へインタビューを行い,問題点を抽出した.利用者77人,延べ件数143件であった.インタビュー結果では,医療側から即座に翻訳を求められたり,医師の説明が早口であったりするなど,通訳に対して医療側の認識不足が感じられた.また,自分の通訳が患者に理解してもらえたか不安で,資格制度もなく,訓練の機会が少ない,さらに,通訳の質の確保は自助努力によるものが大きいなど,通訳者が抱える問題点が明らかになった.医療側には,通訳しやすい環境作りと,通訳者への理解が求められる.また,通訳レベルを維持向上するための資格制度などのシステムがあれば,医療と通訳双方にとって有用である.

参考文献

1)西野かおる:医療通訳―米国に学ぶ事と今後の課題.国際保健支援会 2,2005 www.mhl.janis.or.jp/~kokusai/nishino.pdf
2)松延恵:医療通訳普及に向けて 神奈川県医療通訳派遣制度構築事業.看護 59(10):61-65,2007
3)村松紀子:医療通訳者―その当事者性と社会的責任.国際保健支援会 2,2005 www.mhl.janis.or.jp/kokusai/muramatsu.pdf
4)多文化共生センターきょうと,他:多言語医療受付支援システムM3―用例対訳を用いた外国人患者の支援,http://www.tabunka-kyoto.org/common/katudo/iryo/grid/m3.htm
5)高嶋愛理:外国人患者受診時にパートナーとなる「通訳者」への通訳環境整備を.看護 59(10):58-60,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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