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文献詳細

雑誌文献

病院69巻7号

2010年07月発行

文献概要

連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第186回

病院霊安室

著者: 八木澤壯一123

所属機関: 1東京電機大学 2日本葬送文化学会 3火葬研

ページ範囲:P.560 - P.563

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 翔子は鎖骨下の切開創のあと,横隔膜に沿った創にも針を通す.峯が糸を切り,崎田が結び,また峯が余分な糸を丹念に切った.

 あたかも本当の手術をした痕のような縫合線になっていた.

 三人で合掌するとき,翔子は峯の厚意に気がつく.わざわざ縫合させたのは,弔いの気持を味わわせるためだったのだ.ちょうど骨を拾うときの安らかな気分になっていた.

 「秋野先生,おつかれさま.遺体はこれから霊安室の方に運ばせます.そこで業者が湯灌と死化粧をしてくれるはずです.警察への報告書はわれわれがまとめます」

 峯が労をねぎらった.

参考文献

1)藤枝秀樹,八木澤壯一,他:病院での霊安室の設置の観点と葬儀への対応について.火葬研究 12:30-31,2008年12月
2)佐々木健太郎,武田至:日韓における葬儀式場の設置に対する考え方について.火葬研究 11:20-23,2007年10月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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