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特集 病院のサステナビリティ―事業継承を考える
民間病院における病院長像とその決定プロセス―事業継承と税について考える
著者: 伊藤伸一1
所属機関: 1医療法人大雄会
ページ範囲:P.599 - P.602
文献購入ページに移動■民間病院における院長の責務
民間病院の最高経営責任者(CEO : Chief Executive Officer)は,個人病院であれば院長,医療法人であれば理事長である.一般的に院長と理事長は兼任することが多く,プレーイングマネジャーであると共にオーナーであり,病院と運命共同体であることが特徴である.したがって,民間病院においてCEOは絶対的権限を有することが多く,この点が他の設立主体の病院と大きく異なる.
病院経営の歴史を振り返れば,昭和50年代後半までは国策による医療拡大政策の波に乗って,公立・私立の区別なく病院規模の拡大を続けることは容易であった.しかし医療費亡国論に基づく医療費抑制以来構築された,改定ごとに縮小してゆく医療費を分け合うシステムの中で,もう1つの財布を持つ公立の病院とその他の病院では経営に対する考え方に大きな差ができてきた.民間病院は事業の拡大により運営資金を生み出すような,それまでの拡大一途の経営路線から,まず資金繰りを考慮した方針にシフトせざるを得なくなり,それを的確に判断できない病院は経営に苦労することとなった.
民間病院の最高経営責任者(CEO : Chief Executive Officer)は,個人病院であれば院長,医療法人であれば理事長である.一般的に院長と理事長は兼任することが多く,プレーイングマネジャーであると共にオーナーであり,病院と運命共同体であることが特徴である.したがって,民間病院においてCEOは絶対的権限を有することが多く,この点が他の設立主体の病院と大きく異なる.
病院経営の歴史を振り返れば,昭和50年代後半までは国策による医療拡大政策の波に乗って,公立・私立の区別なく病院規模の拡大を続けることは容易であった.しかし医療費亡国論に基づく医療費抑制以来構築された,改定ごとに縮小してゆく医療費を分け合うシステムの中で,もう1つの財布を持つ公立の病院とその他の病院では経営に対する考え方に大きな差ができてきた.民間病院は事業の拡大により運営資金を生み出すような,それまでの拡大一途の経営路線から,まず資金繰りを考慮した方針にシフトせざるを得なくなり,それを的確に判断できない病院は経営に苦労することとなった.
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