icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院69巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 病院のサステナビリティ―事業継承を考える 【病院の継承事例:伊藤病院】

甲状腺疾患専門病院の継承

著者: 伊藤公一1

所属機関: 1伊藤病院

ページ範囲:P.612 - P.614

文献購入ページに移動
 当院は昭和12年開設の民間病院である.始まりは甲状腺外科医であった祖父・伊藤尹が自ら手術をし,術後管理を行うところの有床診療所であった.当時の開業挨拶文にも「バセドウ氏病及甲状腺疾患の外科及物理療法」と明記され,専門特化に立ち向かう決意を表している.その2年後に病院となり,昭和34年に父・伊藤國彦が,そして平成10年に筆者が院長職を引き継いでいる.このように血縁で3代続く個人病院であり,一貫して甲状腺疾患診療を主力としてきた結果,甲状腺に問題を持ち来院する患者がすべてを占めるまでに至った1,2)

 とは言え,昔も今も「専門病院」の明確な基準は存在せず,医療法上「甲状腺疾患専門病院」と標榜することもできない.そこで院内随所に明確な理念(図1)を掲げ,発信し続けている.われわれが心がけていることは,以下の3点に尽きる.①甲状腺疾患診療に専門特化する(守備範囲と適正規模の徹底),②学術的研鑽に努める(学問的好奇心を具体化),③民間病院である利点を活かす(フレキシビリティに富むこと).

参考文献

1)伊藤公一:専門病院として生き残るための条件.医療'98 14(8):28-31,1998
2)伊藤公一:民間専門病院における外科診療―甲状腺疾患専門病院の取り組み.日本外科学会雑誌 105(2):234-237,2004
3)伊藤公一:医療機器の戦略的購入と更新のタイミング.病院 59(3):223-224,2000
4)伊藤公一:原発性副甲状腺機能亢進症の新しい治療方針―局麻下手術とDay surgeryの可能性.内分泌外科 17(2):85-90,2000
5)伊藤公一:一般外科におけるShort stay surgeryの実際―甲状腺外科.外科治療 82(1):45-49,2000
6)伊藤公一:甲状腺手術入院診療の標準化とクリニカルパス.小西敏郎,武藤正樹(編):外科クリニカルパスの実際―導入から評価まで,金原出版,2002,pp82-92
7)伊藤公一:甲状腺機能亢進症の手術療法に関するクリニカルパス―安全なShort stay surgeryを目指して.ホルモンと臨床 50(11):37-45,2002
8)伊藤公一:バセドウ病手術のクリニカルパス.臨床外科 58(11):29-34,2003
9)伊藤公一:バセドウ手術療法のクリニカルパス.外科治療 92(増刊号):232-240,2005
10)伊藤公一:Basedow(Graves)病のRI内用療法.臨床画像 25(6):579-584,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら