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特集 本格到来するDPC時代
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著者: 池上直己1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
ページ範囲:P.669 - P.669
文献購入ページに移動出来高払いとの相違をさらに少なくするために,当該病院の導入時における出来高払いによる報酬額と,DPCによる包括払いの報酬額の差額を,「調整係数」によって補償する制度が採用された.「調整係数」は病院の努力によって,入院の実コストが導入後に下がっても,基本的に変わらなかった.その結果,批判の対象となり,2010年度から段階的に廃止され,代わって機能評価係数IIが導入された.同係数は,高度な医療を提供することに対するP4P(Pay-for-performance)と見なすこともでき,DPC対象病院においても診療報酬による経済誘導が,どこまで有効に働くかを注意深く見守る必要があろう.
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