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文献詳細

雑誌文献

病院69巻9号

2010年09月発行

文献概要

特集 本格到来するDPC時代

DPCデータを用いた研究成果の概要

著者: 松田晋哉1

所属機関: 1産業医科大学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.676 - P.680

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 診断群分類を用いた包括評価方式は1983年アメリカのMedicareで最初に採用された.アメリカのDRG(Diagnosis Related Group)およびそれを用いた支払方法については,他国の政策担当者の関心を集め,その応用可能性の研究が広く行われるようになった.

 わが国における診断群分類を用いた包括評価に関する最初の研究は1990年代後半になって医療経済研究機構によって行われた.この研究ではアメリカのDRGの日本における応用可能性が示唆されたものの1),その後の日医総研等の研究により分類体系が日本の診療慣行およびレセ電算システムに対応していないことなどの理由により2),その採用は見送られた.同時期に厚生省(当時)は国立病院等10施設において1件当たり包括払い方式の試行を行った.この試行研究では1入院当たり包括支払い方式の導入可能性は示されたが,分類数が少ないためにカバーする患者が少ない等の問題が指摘された.このような状況を踏まえて,日本独自のより網羅的な診断群分類の開発が「急性期入院医療試行診断群分類を活用した研究(厚生労働科学研究:2001-2003年度)」で行われることとなった.また,それを活用したコスト分析の標準的な方法論の開発が「診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究(厚生労働科学研究:2004-2006年度)」によって行われた.

参考文献

1)医療経済研究機構:「米国における疾病分類の妥当性に関する研究」報告書,医療経済研究機構,1998
2)日本医師会総合政策研究機構:「DRGの妥当性に関する研究」報告書,日本医師会,1999
3)松田晋哉,他:「包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究」総合報告書,平成19-21年度厚生労働科学研究補助金(政策科学推進研究事業)研究(H19-政策-指定-001),平成22年3月
4)松田晋哉,他:「包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究」総括報告書,平成19-21年度厚生労働科学研究補助金(政策科学推進研究事業)研究(H19-政策-指定-001),平成22年3月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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