病院69巻9号

2010年09月発行

特集 本格到来するDPC時代

【事例】

病院におけるDPCデータの活用―鳥取大学医学部附属病院

著者： 中村廣繁¹ 豊島良太²

所属機関： ¹鳥取大学医学部附属病院 胸部外科 ²鳥取大学医学部附属病院

ページ範囲：P.698 - P.701

文献概要

　平成15年にDPCが導入されて以来7年が経過した．鳥取大学医学部附属病院は特定機能病院として当初からDPCを導入し8年目を迎えたが，その間医療は大きく変貌してきている．特に在院日数の短縮，検査・注射・処方の外来移行，手術件数の増加，医療連携の整備，経費削減のための工夫などの急速な変化が地域の医療全体に与えた影響は測り知れない^1）．大きな変化の流れの中で果たして医療の質は担保できてきたかどうか，患者満足度も含めて検証することも大切となってきている．本稿では膨大なDPCデータを経営改善へフィードバックする手法の1つとして当院の入院と外来診療区分の推移を分析し，さらに二次医療圏におけるSWOT（Strength, Weakness, Opportunity, Threat）分析^2-4）を行うことで，当院が地域の中で果たすべき今後の役割と方向性を検討した．

参考文献

1）武藤正樹：DPCにおける病院マネジメント10のポイント．医療マネジメント学会雑誌 6：506-516, 2005

2）伏見清秀：DPCデータ活用ブック．伏見清秀（編著）：医療機関の視点によるDPCデータ分析．じほう，2006, pp70-105

3）中村廣繁：DPCデータの活用が病院経営を改善する．日本クリニカルパス学会雑誌 9 : 189-192, 2007

4）中村廣繁：経営効率改善とマーケッティング戦略からみたDPCとクリニカルパス．日本クリニカルパス学会誌 11：123-126, 2008

5）中村廣繁：DPC適合型クリティカルパスは現時点でどうあるべきか．－肺がんに対する肺葉切除術を例にして－　日本医療マネジメント学会雑誌 7：299-303, 2006

6）中村廣繁：改定DPCに対応させた肺癌手術クリニカルパスの運用効果．日本クリニカルパス学会雑誌 9：131-134, 2007

7）池田俊也：DPCとクリティカルパス　－DPC対応型クリティカルパスの5つの条件．医療マネジメント学会雑誌 5：358-360, 2004

8）中村廣繁：DPCとクリニカルパスの有効活用が病院を魅力的にする．日本クリニカルパス学会誌 11：183-186, 2009