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文献詳細

雑誌文献

病院69巻9号

2010年09月発行

文献概要

レポート【投稿】

MSWによる療養型病院・施設への転院阻害要因を有する患者の早期把握とその効果

著者: 林祐介1

所属機関: 1医療法人名南会 名南ふれあい病院 医療相談室

ページ範囲:P.722 - P.724

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要旨 医療ソーシャルワーカー(MSW)による転院阻害要因の早期把握の有効性を検討した.当院回復期リハビリテーション病棟において,MSWである筆者らが早期把握に向けた取り組みを行い,得られた結果は以下の3点であった.①転院阻害要因をMSWが早期に把握できている割合が,取り組み前は58.0%であったが,取り組み後は78.2%まで上昇した(p<0.05).②入院日からMSWが退・転院先選定に関わる面談を初めて行った日までの期間は,取り組み前が平均34.6日であったのに対して,取り組み後は27.0日まで短縮した(n.s.).③患者もしくは家族が第1希望に挙げていた転院先へ移ることができた割合は,取り組み前が40.6%であったのに対して,取り組み後は70.4%まで上昇した(p<0.05).①~③より,転院阻害要因を有する患者の早期把握および介入の必要性が示された.

参考文献

1)神奈川県大学病院ソーシャルワーカー連絡会:神奈川県内大学病院における転院援助最困難事例調査報告書,1999,pp1-10
2)転院問題を考える会:第2回転院調査報告書-MSWによる患者・家族に対するアンケートの結果から,2003,pp70-71
3)林祐介:療養型病院・施設への転院を阻む要因とそれらを有する患者への有効な対処法に関する研究,日本福祉大学大学院2009年度修士論文,2009,pp20-23
4)篠田道子(編):ナースのための退院調整-院内チームと地域連携のシステムづくり,日本看護協会出版会,2006,p31

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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