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病院長に愬う
著者: 山本美智子
所属機関:
ページ範囲:P.6 - P.9
文献購入ページに移動 ある看護婦學校の學生に,「病院で一番大切に考えなければならないのは,誰か」を看護倫理の試驗問題として,きいて見たら,「病院長」というのが,過半數を占めていたとの事です。この答を正解としたか,間違いとしたか,どうかについては,はつきりと聞かなかつたのですが,私は,これは考えさせられる問題だと思う。大切,といふ意味のとり方にもよりますが少くとも,病院の目的が,社會の患者を診療し,看護して,健康の恢復を計り,更に進んで人々の健康増進への貢献であつてその事が明確に,看護婦學生に教え込まれて居り,また病院の運營が,實際に其の目的達成のために行われておれば,この問題には,「患者さん」と學生はすぐ答えたでしよう。しかし實際のところ病院が,誰のために存在しているのか,病院職員の多數が,よくわかつていない現在では,看護婦學生だけを,それだからといつて責めることは無理というものでしよう。
試みに,病院の職員に,病院の目的は何ですか?ときいて見たら,幾人が正しく答える事でしよう。
試みに,病院の職員に,病院の目的は何ですか?ときいて見たら,幾人が正しく答える事でしよう。
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