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文献詳細

雑誌文献

病院70巻1号

2011年01月発行

文献概要

特集 病気と社会を考える

巻頭言 フリーアクセス

著者: 広井良典1

所属機関: 1千葉大学法経学部

ページ範囲:P.13 - P.13

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 そもそも病気とはいったい何だろうか.また,一体なぜ人は病気になるのか.新年号ということもあり,こうした普段あまり発することがないような,自明ともいうべき問いについて考えてみたい.

 いま掲げたような問いは,一見抽象的な話題のようにも響くが,「現代の病」をめぐる状況を考えると実質的な重要性を持っており,また,近年の最先端とも言える様々な研究分野が新たな光をあてて探求しているテーマでもある.例えば90年代頃から台頭してきた進化医学と呼ばれる分野は,病気というものを人間とそれを取り巻く環境とのギャップから捉えるという,根本的な視点を提起している(本特集の冒頭の井村裕夫氏の論文参照).また近年,社会疫学と呼ばれる分野が発展し,例えばストレス,労働のあり方,経済状態,コミュニティのつながりなど,「健康ないし病気の社会的決定要因(social determinants of health)」,あるいは病気の生成と社会的・経済的な要因との関わりが明らかにされつつある(岩永・近藤論文参照).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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