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文献概要
特集 終末期における延命医療のあり方 【様々な終末期医療】
非がんの緩和ケアについて
著者: 丹波嘉一郎1
所属機関: 1自治医科大学緩和医療講座
ページ範囲:P.766 - P.769
文献購入ページに移動■がんの緩和ケアと非がんの緩和ケアに違いはない?
WHOが2002年に出した緩和ケアの定義には,「緩和ケアとは,生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して,疾患の早期より痛みその他の,身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題に関して適切な評価を行い,それが障害とならないように予防したり対処したりすることで,QOLを改善するためのアプローチである」とうたわれている1).
すなわち,どこにも「がん」と書かれていない.1967年にシシリー・ソンダースがセントクリストファー・ホスピスで現代緩和ケアを始めた当初は,がんの緩和ケアという色彩が強かったが,今は「がん」「非がん」の別を問わないのが本当の緩和ケアであるべきなのである.
WHOが2002年に出した緩和ケアの定義には,「緩和ケアとは,生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して,疾患の早期より痛みその他の,身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題に関して適切な評価を行い,それが障害とならないように予防したり対処したりすることで,QOLを改善するためのアプローチである」とうたわれている1).
すなわち,どこにも「がん」と書かれていない.1967年にシシリー・ソンダースがセントクリストファー・ホスピスで現代緩和ケアを始めた当初は,がんの緩和ケアという色彩が強かったが,今は「がん」「非がん」の別を問わないのが本当の緩和ケアであるべきなのである.
参考文献
1)http://www.who.int/cancer/palliative/definition/en/
2)Solano JP, et al : A Comparison of Symptom Prevalence in Far Advanced Cancer, AIDS, Heart Disease, Chronic Obstructive Pulmonary Disease and Renal Disease. J Pain Symptom Manage 31(1):58-69, 2006
3)Allen LA, et al : Discordance Between Patient-Predicted and Model-Predicted Life Expectancy Among Ambulatory Patients With Heart Failure. JAMA 299(21):2533-2542, 2008
4)Berger R, et al : B-Type Natriuretic Peptide Predicts Sudden Death in Patients With Chronic Heart Failure. Circulation 105 : 2392-2397, 2002
5)Nishimura K, et al : Dyspnea Is a Better Predictor of 5-Year Survival Than Airway Obstruction in Patients With COPD. Chest 121(5):1434-1440, 2002
6)加藤修一,他:筋萎縮性側索硬化症のホスピスにおける終末期ケア.Palliative Care Research 5(2):137-144, 2010
7)Gill TM, et al : Trajectories of Disability in the Last Year of Life. N Engl J Med 362(13):1173-1180, 2010
8)Lunney JR, et al : Patterns of Functional Decline at the End of Life. JAMA 289(18):2387-2392, 2003
1)齋藤勝,千歳和哉:緩和ケア概論.青森臨産婦誌 23(2):16-21,2008
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