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特集 終末期における延命医療のあり方 【様々な終末期医療】
終末期リハビリテーションの実際
著者: 大田仁史12
所属機関: 1茨城県立健康プラザ 2茨城県立医療大学
ページ範囲:P.770 - P.773
文献購入ページに移動 そもそも筆者が終末期リハビリテーションという言葉をつくったのは,リハビリテーション(以下,リハ)医療の流れが急性期─回復期─維持期にとどまり,しかも維持期が非常に曖昧であるため,右肩上がりの風潮の中でリハ医療の切り捨てが起こることを案じ,そうではないという意思表示をしたかったからである.また,最期まで医療や介護にリハの思想や技術がなければ,人は尊厳ある生をとじられない.
しかしその後,若年重度障害者や小児,難病,がん患者等のケアをしている人々から,「終末期」という言葉は自分たちにはそぐわないのではないか,という意見をいただき,それらを勘案して,2010年「介護期リハ」という概念を提唱し,長期間介護を受けざるをえない人々と一線を画することにした.それに関しては,拙著『介護期リハビリテーションのすすめ』(青海社,2010)1)を参考にしてほしい.
介護期リハの提唱に伴い,終末期リハの定義を一部改めた.しかし,実践的な内容は終末期も介護期もほとんど変わらない.本稿では,主に高齢者に関して論じたい.
しかしその後,若年重度障害者や小児,難病,がん患者等のケアをしている人々から,「終末期」という言葉は自分たちにはそぐわないのではないか,という意見をいただき,それらを勘案して,2010年「介護期リハ」という概念を提唱し,長期間介護を受けざるをえない人々と一線を画することにした.それに関しては,拙著『介護期リハビリテーションのすすめ』(青海社,2010)1)を参考にしてほしい.
介護期リハの提唱に伴い,終末期リハの定義を一部改めた.しかし,実践的な内容は終末期も介護期もほとんど変わらない.本稿では,主に高齢者に関して論じたい.
参考文献
1)大田仁史:介護期リハビリテーションのすすめ,青海社,2010
2)大田仁史(編著),鳥海房枝,田邊康二:終末期介護への提言「死の姿から学ぶケア」,中央法規,2010
3)日本老年医学会:「高齢者の終末期の医療およびケア」に関する日本老年医学会の「立場表明」.日本老年医学雑誌 38(4):582-586,2011
4)大田仁史(監修):実技・終末期リハビリテーション,荘道社,2003
5)厚生省:老健第102-2号,厚生省大臣官房老人保健福祉部長通知,1991
1)大田仁史:思想としての終末期リハビリテーション.訪問看護と介護 5(12):968-972,2000
2)大田仁史:維持期リハビリテーションのあとに「終末期リハビリテーション」を提案する,論壇,日本リハビリテーション病院・施設協会誌 67:14-16,2000
3)大田仁史:終末期リハビリテーション,荘道社,2002
4)大田仁史:介護予防(第2版),荘道社,2003
5)澤村誠志(責任編集):終末期リハビリテーション.最新介護福祉全書 4 リハビリテーション論,メヂカルフレンド社,2005,pp262-271
6)大田仁史:地域リハビリテーション原論(Ver.5),医歯薬出版,2006
7)大田仁史:終末期リハビリテーション~身体として人間らしくあること.月刊保団連 974:20-23,2008
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