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特集 医療計画と二次医療圏の今後
文献概要
わが国の救急医療体制を振り返ると,昭和38(1963)年,交通事故の増加に対応するために,消防法の一部が改正され,市町村消防に救急業務1)が義務づけられ,事故現場から医療機関に傷病者を搬送することとなった.これを受けて厚生省は昭和39(1964)年,交通事故の傷病者に対応できる条件を満たす医療機関を,救急告示医療機関(救急病院,救急診療所)2)として告示した.
本体制は昭和40年代に傷病者の「たらいまわし現象」を引き起こし,当時の厚生省はその対策として昭和52(1977)年,初期→二次→三次救急医療機関に流れる救急新医療体制を構築3)した.しかし今,再びたらいまわし現象が生じており,診療,搬送,情報におけるいずれにおいても新たなる救急医療体制の構築が求められている.
本体制は昭和40年代に傷病者の「たらいまわし現象」を引き起こし,当時の厚生省はその対策として昭和52(1977)年,初期→二次→三次救急医療機関に流れる救急新医療体制を構築3)した.しかし今,再びたらいまわし現象が生じており,診療,搬送,情報におけるいずれにおいても新たなる救急医療体制の構築が求められている.
参考文献
1)消防法 第7章の2「救急業務」(昭和38年4月15日法律醍88号)
2)救急病院等を定める省令(昭和39年2月20日厚生省令第8号)
3)厚生省健康政策局 救急医療対策実施要綱(昭和52年7月6日医発第692号)
4)小濱啓次:救急医学教育─その理論と実践.へるす出版,1995
5)厚生省健康政策局:救急医療体制基本問題検討会報告書,1997
6)小濱啓次:救急医療体制の問題,特に二次,三次救急医療機関(厚生労働省)と救急告示医療機関(消防庁)との関係はどうなっているのか─都道府県救急医療担当部署からの調査結果から─.小濱啓次(編著):新しい救急医療体制の構築─救急医療体制改善の為の提言,へるす出版,2009,pp183-189
7)消防法及び消防組織法の一部を改正する法律(昭和61年4月15日法律第20号)
8)救急病院等を定める省令(昭和62年1月14日厚生省発健政第11号)
9)小濱啓次:救急医療40年─救急医学・救急医療改革への道程.へるす出版,2011,pp45-46
10)救急搬送において受け入れに至らなかった理由について.厚生労働省医政局指導課,平成20年6月10日
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12)大阪大学医学部附属病院特殊救急部.大阪大学救急医学教室(編):大阪大学特殊救急部30年の歩み─杉本侃教授退官記念,1995
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17)救命救急法検討委員会:現場及び来院時心肺機能停止例の予後に関する調査研究.日本救急医学会,平成10(1998)年5月
18)救急・救助の現況.(平成22年版)総務省消防庁,2010年12月
19)小濱啓次:救急診療の問題と今後のあり方.前掲書9),pp46-52
20)厚生労働科学研究費補助金,地域医療基盤開発推進研究事業「救急医療体制の推進に関する研究」平成18年度~20年度総合研究報告書(研究代表者:小濱啓次),平成21(2009)年3月
21)小濱啓次:ドクターヘリ総論.日本航空医療学会ドクターヘリ講習会テキスト,日本航空医療学会2007
22)東日本大震災を踏まえた救急業務のあり方消防防災ヘリとドクターヘリ等との連携.平成23年救急業務のあり方に関する検討会,消防庁救急救助室,2011
23)小濱啓次:東京都は医療過疎地か.時論,日本医事新報No.4368:80-82,2008年1月12日号
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