文献詳細
特集 何を目指すチーム医療
文献概要
この数年,「チーム医療」という言葉が医療界に広まっている.しかしながら,日本でこの用語は使われ始めてまだ日が浅く,語感からなんとなくイメージは湧くものの,統一された具体的な定義は存在しない.
様々な文献や資料を見ても,チーム医療という用語は,医療技術の高度化とサービスの拡充という「より良い医療」に対応する試みという捉えられ方をしているが,さらに深く見ていくと,医療現場の従来のマネジメント体制が限界に達しつつあることも,導入に際して大きな要因となっていることがわかる.医療界の様々な環境変化によって,従来のように治療の一義的責任者である医師が,看護師など関連するコメディカルを一元的に指示・監督するマネジメントスタイルは困難になりつつある.
様々な文献や資料を見ても,チーム医療という用語は,医療技術の高度化とサービスの拡充という「より良い医療」に対応する試みという捉えられ方をしているが,さらに深く見ていくと,医療現場の従来のマネジメント体制が限界に達しつつあることも,導入に際して大きな要因となっていることがわかる.医療界の様々な環境変化によって,従来のように治療の一義的責任者である医師が,看護師など関連するコメディカルを一元的に指示・監督するマネジメントスタイルは困難になりつつある.
参考文献
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14)小池和男:仕事の経済学,東洋経済新報社,1991
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5)古川久敬:チームマネジメント,日本経済新聞社,2004
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