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文献詳細

雑誌文献

病院70巻3号

2011年03月発行

文献概要

特集 自治体病院の存在意義

公私の役割分担と公立病院改革

著者: 島崎謙治12

所属機関: 1政策研究大学院大学 2東京大学大学院法学政治学研究科グローバルCOEプログラム

ページ範囲:P.180 - P.184

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 本稿の目的は,歴史的パースペクティブの下で公立病院改革の意義および課題について論じることにある.具体的には,病院の開設主体に関する今日の政策の位相は1960年代初頭と並んで最も「私」中心主義に傾斜していることを指摘する.次に,公立病院ガイドラインにおける公私の役割分担に関する考え方の評価を行う.そして,以上を踏まえ,公立病院改革の本質と課題についてガバナンス構造に着目して考察する.

 なお,あらかじめお断りしておきたいことが3つある.第1に,筆者は総務省の「公立病院改革懇談会」および「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」の委員を務めたが,当然のことながら,本稿の意見にわたる部分はすべて私見である.第2に,本稿は末尾に掲げる拙稿1,2)を再構成したものであり,内容は大幅に重複している.第3に,本稿では「自治体病院」ではなく「公立病院」と表記する.これはガイドライン等の表現と平仄を合わせたにすぎず,意味内容に違いはない.

参考文献

1)島崎謙治:公立病院改革の本質と課題(上).社会保険旬報 2394:6-15,2009
2)島崎謙治:日本の医療-制度と政策-,東京大学出版会,2011(近刊)
3)一条勝夫:日本の病院,日本評論社,p.21,1982
4)自治体病院経営研究会:自治体病院経営ハンドブック,ぎょうせい,p.94,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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