文献詳細
連載 医療マネジメント 21世紀への挑戦・1【新連載】
文献概要
この20年は病院,いや医療システム全体の激動の時代であった.特にここ5年は「医療崩壊・病院崩壊」という流行語に象徴されるように,病院経営環境が大転換を迎えている.これからの20年,日本は有史以来の高齢者数を抱える超高齢社会に向け驀進し,これまでの20年以上に変貌することが想定される.特に医療については,あと5~10年で大きく様変わりするのではなかろうか.
しかし現在の混乱・未来の重圧に対して,日本の医療界にも,また政界にも未だその準備があるようには見えない.準備のための「課題の把握」「原因の分析」「将来の予測」「提案の検討」は,どれをとっても単純ではないからである.
実は,変革期に有用な手法とは「大きな枠組みによる俯瞰」の作業である.本連載では,まず第1回で導入として病院経営をめぐる過去と未来の20年間を歴史的に俯瞰し,そこに浮かび上がる現象を医療マネジメントの枠組みから捉えることにより,背後にある根本原因を追究する.その分析を基に,最新のサービス経営理論を用いて解決法を提案したい.残りの5回はこの第1回を基調とし,医療界を構成する医療マネジメントの各要素およびその背景について順次詳述していく.
しかし現在の混乱・未来の重圧に対して,日本の医療界にも,また政界にも未だその準備があるようには見えない.準備のための「課題の把握」「原因の分析」「将来の予測」「提案の検討」は,どれをとっても単純ではないからである.
実は,変革期に有用な手法とは「大きな枠組みによる俯瞰」の作業である.本連載では,まず第1回で導入として病院経営をめぐる過去と未来の20年間を歴史的に俯瞰し,そこに浮かび上がる現象を医療マネジメントの枠組みから捉えることにより,背後にある根本原因を追究する.その分析を基に,最新のサービス経営理論を用いて解決法を提案したい.残りの5回はこの第1回を基調とし,医療界を構成する医療マネジメントの各要素およびその背景について順次詳述していく.
参考文献
1)長谷川敏彦:病院経営戦略,医学書院,2002
2)長谷川敏彦(編):病院経営のための在院日数短縮戦略,医学書院,2001
3)長谷川敏彦(監):クリティカル・パスと病院マネジメント―その理論と実際,薬業時報社,1998
4)長谷川敏彦(編):医療安全管理事典,朝倉書店,2006
5)長谷川敏彦(研究代表者):平成19-21年度総合報告書 厚生労働科学研究費補助金地域医療基盤開発推進研究事業 質効率と職業間連携を目指した病棟マネジメントの研究,2010
6)Hasegawa T, Karandagoda W(eds):Change Management For Hospitals, Through Stepwise Approach, 5S-KAIZEN-TQM, First Edition, 2011
7)小松秀樹:医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か,朝日新聞社,2006
8)Teboul J : SERVICE IS FRONT STAGE. INSEAD Business Press. New York, 2006
9)Ramaswamy V, Gouillart F : The Power of Co-Creation. Simon & Schuster, NY, 2010
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