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文献概要
連載 鉄郎おじさんの町から病院や医療を見つめたら…・43
―長崎原爆とひとりの医師②―長崎の鐘が鳴る
著者: 鉄郎1
所属機関: 1NPO法人アットホームホスピス
ページ範囲:P.308 - P.309
文献購入ページに移動表紙を開くと,片岡弥吉が序文を記し,その冒頭に永井の妻の死について記してある.書中で永井が妻の死について触れていないため,一筆加えたと受け取れる.あえて書かないで沈黙を守る,その不自然さに永井自身のメッセージが潜んでいるのだが,序文がそれを切り崩す.事実を客観的に綴ることの重要性とその難しさを感じた.僕もどこかで同じことをやっているに違いない.よかれと思ったことが他人を傷つけ,何の気なしにやったことが喜ばれたりする.この世とはそうして成り立っている.
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