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特集 医療と介護はどう変わるか 平成24年診療報酬・介護報酬同時改定
次期診療報酬改定に向けて
著者: 鈴木邦彦123
所属機関: 1中央社会保険医療協議会 2茨城県医師会 3医療法人博仁会
ページ範囲:P.419 - P.423
文献購入ページに移動本年(2011年)はわが国が世界に誇る国民皆保険制度が発足して50周年の記念すべき年である.今や本制度は国民にとって水か空気のような存在となっており,常にマスコミや国民の批判にさらされてはいるが,世界中のどこにも完璧な医療制度は存在しない.
フランスの著名な国際医療制度の比較学者であるブルーノ・パリエ氏は,わが国の医療制度をスウェーデンと共に世界で最も高く評価している1).低コストで充実したわが国の医療は,マクロ的には公的国民皆保険制度の下で民間非営利中心の医療提供体制というミックス型の医療制度によってもたらされたものであり,ミクロ的には厚生労働省の強力なコントロールと共に,重装備で質の高い開業医,低コストできめ細かい医療を提供する中小病院と有床診療所,使命感の高い勤務医などによって実現されている.財源から見ても保険料の他に既に3分の1を占める公費や自己負担があり,結果的に財源を多様化してきたことにより,保険料のみに依存してきたドイツより安定した構造となっている2).
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