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文献詳細

雑誌文献

病院70巻6号

2011年06月発行

文献概要

特集 医療と介護はどう変わるか 平成24年診療報酬・介護報酬同時改定

次期診療報酬改定に向けて

著者: 鈴木邦彦123

所属機関: 1中央社会保険医療協議会 2茨城県医師会 3医療法人博仁会

ページ範囲:P.419 - P.423

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■世界的に評価の高いわが国の医療制度

 本年(2011年)はわが国が世界に誇る国民皆保険制度が発足して50周年の記念すべき年である.今や本制度は国民にとって水か空気のような存在となっており,常にマスコミや国民の批判にさらされてはいるが,世界中のどこにも完璧な医療制度は存在しない.

 フランスの著名な国際医療制度の比較学者であるブルーノ・パリエ氏は,わが国の医療制度をスウェーデンと共に世界で最も高く評価している1).低コストで充実したわが国の医療は,マクロ的には公的国民皆保険制度の下で民間非営利中心の医療提供体制というミックス型の医療制度によってもたらされたものであり,ミクロ的には厚生労働省の強力なコントロールと共に,重装備で質の高い開業医,低コストできめ細かい医療を提供する中小病院と有床診療所,使命感の高い勤務医などによって実現されている.財源から見ても保険料の他に既に3分の1を占める公費や自己負担があり,結果的に財源を多様化してきたことにより,保険料のみに依存してきたドイツより安定した構造となっている2)

参考文献

1)ブルーノ・パリエ:医療制度改革―先進国の実情とその課題,白水社,2010
2)鈴木邦彦:日本医師会・民間病院ドイツ医療・福祉調査団報告書,医療法人博仁会,2010,pp1-7
3)鈴木邦彦:民間病院イギリス医療・福祉調査団報告書,医療法人博仁会,2009,pp1-8
4)鈴木邦彦:民間病院フランス医療・福祉調査団報告書,医療法人博仁会,2008,pp1-3
5)松岡洋子:デンマークの高齢者医療と地域居住,新評論,2005
6)立花祥太朗:フランスにおける在宅入院制度.訪問リハビリテーションフォーラム2010,2010年11月3日

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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