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特集 医療と介護はどう変わるか 平成24年診療報酬・介護報酬同時改定
在宅医療と地域包括ケア―在宅医療はどう発展するか
著者: 黒岩卓夫1
所属機関: 1医療法人社団萌気会
ページ範囲:P.429 - P.433
文献購入ページに移動 「在宅医療の将来性は?」をテーマとした場合,論ずることは多々あるが,在宅医療ほど地域の医療環境に左右されるものはない.したがって在宅医療だけを論ずることは不可能で,かつ無意味と言っても過言ではない.例えば地域の中心的病院,地方では多くが中小病院だが,この病院との連携,信頼関係のあり方で在宅医療は大きく様変わりしてくる.よい関係があれば在宅患者は増えるし,患者や家族も喜んでくれる.逆だと患者も増えないうえ,地域の住民からも信頼されない.
さらに介護サービスとの関係や,特に訪問看護の存在にも大きく影響される.したがって,その地域の医療介護資源とその連携システムの中でしか在宅医療は生息できないものと考えてもよい.ということは,地域の介護システムの成熟度を読めば,在宅医療の将来を論ずることができる.具体的には,厚生労働省(以下,厚労省)が数年先を見て提案している「地域包括ケアシステム」と「24時間ケア体制の促進」が在宅医療の方向も明示していると考えてよい.
さらに介護サービスとの関係や,特に訪問看護の存在にも大きく影響される.したがって,その地域の医療介護資源とその連携システムの中でしか在宅医療は生息できないものと考えてもよい.ということは,地域の介護システムの成熟度を読めば,在宅医療の将来を論ずることができる.具体的には,厚生労働省(以下,厚労省)が数年先を見て提案している「地域包括ケアシステム」と「24時間ケア体制の促進」が在宅医療の方向も明示していると考えてよい.
参考文献
1)厚生労働省:全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 資料
2)大井玄:痴呆の哲学―ぼけるのが怖い人のために,弘文堂,2004
1)猪飼周平:海図なき医療政策の終焉.現代思想 38(3):98-113,2010
2)印南一路:「社会的入院」の研究―高齢者医療最大の病理にいかに対処すべきか,東洋経済新報社,2009
3)石飛幸三:「平穏死」のすすめ,講談社,2010
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