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文献詳細

雑誌文献

病院70巻8号

2011年08月発行

特集 人口減少の衝撃 社会・病院はどう備えるか

人口減少時代の病院経営戦略

著者: 古城資久12

所属機関: 1医療法人伯鳳会 2社会福祉法人大阪暁明館

ページ範囲:P.599 - P.603

文献概要

 病院はface to faceでサービスを提供する産業であるが,商圏はその業態により異なる.専門特化し,アカデミズムと技術力で顧客を獲得する病院では商圏は広く,例えば有名な甲状腺専門病院などは商圏が全国区である.痔,乳腺,人口関節など「待てる急性期」を専門とする場合も商圏は広く,九州全域,西日本など広域を商圏とする病院がある.一部のセレブ,外国人富裕層をターゲットとする病院では,アジア圏まで商圏が及ぶ例も見られる.

 しかし疾病のボリュームゾーンを担う一般病院,総合病院,急性期病院では自院から半径数km,せいぜい数十kmの範囲から獲得する顧客がその大半を占めている.亜急性期,回復期,維持期を担う病院も多くは同様であり,全国の大多数の病院は自院より半径数十km以内を商圏として運営されており,商圏内人口がその限界を決める.疾病には人口当たりの発生率があり,入院率,外来受診率も同様である.医療を取り巻く環境やライフスタイルの変化によりそれらの率は変動していくが,ベースに人口があることは否定しようがない.一般論として,団塊の世代が高齢者(65歳)となる2015年に老人人口の増加が止まり,彼らが後期高齢者(75歳)となる2025年をピークとして医療需要は低下していくとの見通しがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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