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書評 日本の現実に即した医療コミュニケーションの新しいテキスト―山内 常男(編)『ことばもクスリ─患者と話せる医師になる』 フリーアクセス
著者: 箕輪良行1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・救急医学
ページ範囲:P.37 - P.37
文献購入ページに移動本書は,若い医師たちをこのように見ていながらも,日ごろ,目にして耳にする患者からのクレームをもとにどうしても伝えたい「言葉」の話を医療従事者に向けてまとめた書物である.クレーム実例から出発しているのでリアルであり,真摯な語りかけである.この領域で二冊のテキスト(『医療現場のコミュニケーション』『コミュニケーションスキル・トレーニング』,ともに医学書院刊)を執筆している評者にとっても,このような語りかけがどうしてもかくあるべしの理想論になりがちで非常に難しいのがわかるだけに,クレームからのアプローチは執筆の抑制を保つうえでうまい戦略だと感心させられた.
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