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特集 病院と日本復興
東日本大震災における対応―JMAT:日本医師会災害医療チーム
著者: 石井正三1
所属機関: 1日本医師会
ページ範囲:P.53 - P.56
文献購入ページに移動JMAT(Japan Medical Association Team)は,日本医師会が東日本大震災を受けて,これまでの検討内容に基づいて結成した災害医療チームである.被災地の都道府県医師会の要請に基づいて,日本医師会が各都道府県医師会に依頼して結成・派遣され,避難所や救護所等での医療や被災した病院・診療所の患者への医療の継続支援を行う.JMAT参加者には,病院に勤務する医師や看護職員等の医療従事者も多数含まれ,まさに日本の医療界を挙げての活動となった.
さらに,JMATの派遣は,病院団体との連携によっても行われた.初期の段階から全日本病院協会と日本医療法人協会の医療チームがJMATとして派遣され,日本精神科病院協会からも参加申し出がなされた.さらに他の医療団体のチームもJMATとして多く派遣された.現在は,主要病院団体も参画し,被災者健康支援連絡協議会を立ち上げているが,その枠組みの下で,宮城県気仙沼市立本吉病院への医師派遣も実現した.国公立病院や日赤もDMATや救護班として大きな役割を果たしたが,これらの活動と医師会活動との連携もより良いものにしていかなくてはならない.また民間の病院や診療所が主体を占める日本の医療体制にあって,被災地の医療復興も,民間と公的医療機関の双方がバランスをもってなされる必要がある.
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