特集 検証“同時改定”診療・介護報酬
中小病院への影響
著者:
猪口雄二12
所属機関:
1社団法人全日本病院協会
2医療法人財団寿康会
ページ範囲:P.888 - P.892
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平成24年度改定は,6年に1回の診療報酬,介護報酬同時改定である.前回の同時改定は平成18年度改定であったが,この改定は実に衝撃的であった.中医協改革が断行され,病院代表が中医協委員となった.そして,過去最大のマイナス改定であり,看護基準に夜勤平均72時間規定が導入された.さらに,医療療養病床に対して医療区分・ADL区分が導入され,介護療養病床の廃止が決まった改定である.この改定は,最悪の看護師争奪合戦を巻き起こし,結果としては,看護師紹介・斡旋業者を大きく育ててしまった.しかし,本来は本年3月末であった介護療養病床の廃止は,あと6年先延ばしになっている.
前回,平成22年度改定は,政権交代後の初改定であり,10年ぶりのプラス改定であった.内容としては,基幹病院の救急医療,難易度の高い手術等,大病院重視の改定であった.この改定により,大学病院をはじめとする,大規模病院の経営は驚くほど改善したようである.