病院71巻12号

2012年12月発行

特集 病院のBCP 【事例】地域のBCP において病院に求められる役割

恵寿総合病院

著者： 神野正博¹

所属機関： ¹社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院

ページ範囲：P.983 - P.987

　筆者は，本誌2011年5月号（第70巻5号）の特集「病院は経済成長に寄与するか」で執筆した「病院と地域の協働による地域振興を考える」^1）において，地域経済や高齢化社会と病院のかかわりについて詳述した．

　そこでは，人口減，少子高齢化社会の到来と円高による経済情勢の下で，病院と地域社会は表裏一体のものであることを強調した．すなわち，地域が廃れれば病院は患者を失い，その存続はままならない．また，医療崩壊で病院が廃れればその地域の安心が損われ，地域が崩壊していくと記した．そこで，病院は安心・安全をキーワードとして地域の他事業者と手を携えて「地域総力戦」を図るべきである．そのうえで，なりふり構わない地域の振興に努めるべきであると主張した．

参考文献

1）神野正博：病院と地域の協働による地域振興を考える．病院 70（5）：363-367，2011

2）七尾市地域防災対策推進室：七尾市津波浸水想定区域図，七尾市ホームページ　http://www.city.nanao.lg.jp/unit_kankyo/pre_tsunami

3）菅野武：寄り添い支える，河北新報出版センター（河北選書），2011

4）岩淵勝好，平川秀紀：電子カルテデータ病院間バックアップを利用したDPCデータによる診療情報支援．社会保険旬報 2503：16-20，2012

5）神野正博：グループ施設間のIT連携はなぜおこなわれるべきか．新医療 39（5）：29-33, 2012

6）前田由美子：医療・介護の経済波及効果と雇用創出効果．日医総研ワーキングペーパー 189，2009

7）財団法人ながさき地域政策研究所調査報告書：長崎県への“団塊の世代”移住による経済波及効果の推計について，2007

8）菊森淳文，小川昭博（財団法人ながさき地域政策研究所調査報告書）：長崎県への「団塊世代移住政策」の意義について，2007