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文献詳細

雑誌文献

病院71巻4号

2012年04月発行

文献概要

連載 医療管理会計学入門・1【新連載】

医療界における管理会計の全体像と必要性の高まり

著者: 荒井耕1

所属機関: 1一橋大学大学院商学研究科

ページ範囲:P.308 - P.311

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■医療管理会計の全体像

 管理会計とは,医療制度など経営環境が変化する中で,その変化に適切に対応しつつ, 質が高く効率的な医療を提供し続けるための経営管理の仕組みである.採算(財務)面の業績を管理するだけでなく,患者満足度や質・安全性・在院日数・従業員能力向上などに関わる業績も同時に管理する.医療機関(病院や多角化法人)が費用対成果の高い医療サービスを継続的に提供するために,特に経営管理者層にとっては不可欠な,経営管理の仕組みである.

 こうした管理会計の仕組みには多様なものがあり,対応しているマネジメント領域も異なる.管理会計には,戦略遂行マネジメント,責任センター(部門)マネジメント,提供プロセス(サービス)マネジメント,経営情報マネジメントの各領域に対応するための各種手法および活動が含まれている(図).そして,これら各種の仕組みが有効に機能するためには,互いに有機的な関連づけがされていなければならない.

参考文献

1)荒井耕:病院原価計算,中央経済社(日本管理会計学会 文献賞受賞),2009
2)荒井耕:医療バランスト・スコアカード,中央経済社(日本原価計算研究学会・学会賞受賞),2005,第7章
3)上掲書,第6章
4)荒井耕:医療原価計算,中央経済社(日本会計研究学会 太田・黒澤賞受賞),2007,第12章
5)荒井耕:医療サービス価値企画,中央経済社,2011,第12章

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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