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文献詳細

雑誌文献

病院71巻7号

2012年07月発行

特集 病院のセキュリティ

最近のセキュリティに関する考え方―システム依存・標的型攻撃・レジリエンス・許すが忘れない

著者: 林紘一郎1

所属機関: 1情報セキュリティ大学院大学

ページ範囲:P.518 - P.522

文献概要

 昨年暮れに『セキュリティ経営』1)を出版したことが縁で,寄稿を依頼されたが,私は医療や病院について特段の知識や経験を持っていない.大学院の設立(2004年)後に,初めて「観血的侵襲」という言葉を聞いた時は,何のことかもわからなかったほどで,由緒ある本誌に寄稿することについて,いささかの逡巡があった.

 しかし最終的にお受けすることにしたのは,私たちの書物自体が「情報セキュリティ対策として,特段の技術や知識に注力するよりも,経営そのものの一環として捉えて欲しい」と訴えているからである.経営者にそう訴える以上は,自分でも未知の分野に適用可能かどうか,試してみる必要があろう.

参考文献

1)林紘一郎,田川義博,淺井達雄:セキュリティ経営,勁草書房,2011,特に第1章,第2章
2)Corrigan JM, et al:To Err is Human-Building a Safer Health System, National Academies Press,2000,医学ジャーナリスト協会(訳):人は誰でも間違える─より安全な医療システムを目指して,日本評論社,2000
3)山本隆一:東京大学大学院ホームページ「研究紹介」,2012 http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/professor.php?id=395
4)仲野俊成:医療情報学Ⅱ‐5 病院情報システム 資料 2009.4.10 http://www3.kmu.ac.jp/medinfo/09/20090410-4ppt.pdf
5)守屋政平:医療経営情報システムについての一考察,日本大学文理学部人文科学研究所 研究紀要(51), 201-219, 1996  http://www.chs.nihon-u.ac.jp/institute/human/kiyou/51/H-051-017.pdf
6)林紘一郎:病院で考えたこと,デジタル・フォレンジック研究会コラムNo.97,2010 http://www.digitalforensic.jp/expanel/diarypro/diary.cgi?no=221&continue=on
7)山本隆一:医療の情報化,EHRは何をもたらしたか─地域の役割と情報の自己管理─,Digital Government 2009年2月号,2009
8)佐々木良一:サイバー攻撃 巧妙化,『読売新聞』2012年4月4日付け「論点」欄
9)林紘一郎,湯淺墾道:最近のサイバー攻撃と法的課題,NPO法人情報セキュリティフォーラム・レポート 2011-No.07,2012年3月28日発行 http://www.isef.or.jp/webreport/report2011_07.pdf
10)湯淺墾道,林紘一郎:『災害緊急事態』の概念とスムーズな適用,情報セキュリティ総合科学 第3号,2011年11月 http://www.iisec.ac.jp/proc/vol0003/iisec_proc_003_p032.pdf
11)林紘一郎:情報セキュリティ考:『防止』から『耐性と復元』へ,NextcomVol.10, 2012年夏号,KDDI総研
12)林紘一郎:『人間は間違える』ことを科学する,Economic Review Vol.11, No.4,富士通総研,2007
13)畑村洋太郎:失敗学のすすめ,講談社,2000
14)黒川清,児玉安司 :医療の安全 “To Err is Human.”,月間学術の動向2000年2月号,pp6-13,日本学術協力財団
15)高橋長裕,前田正一,児玉聡(座談会):有害事象発生時の適切な対応とは,週刊医学界新聞2965号,2012年2月13日 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02965_01

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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