icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院71巻9号

2012年09月発行

文献概要

連載 病院が変わるアフリカの今・9

出産ケア改善と結びつく5S-KAIZEN

著者: 後藤美穂1 池田憲昭1

所属機関: 1独立行政法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局

ページ範囲:P.678 - P.679

文献購入ページに移動
 セネガル共和国(以下,セネガル)は西アフリカのサハラ砂漠西南端に位置する,面積約20万km2(日本の半分程度)の国である.同国は1960年の独立以来,一度もクーデターを経験しておらず,内政上高い安全を維持してきた.今年3月の大統領選挙も平和裡に行われ,12年間のワット政権から新政権へ平和的,民主的な形で国民の意思が示されたことは,この国の成熟した民主主義を象徴していると言える.

 タンバクンダ州とケドゥグ州は首都ダカールから約450km,モーリタニアなどとの国境に接する貧困州の1つである.母子保健指標は表の通りで,保健医療施設や熟練分娩介助者,包括的緊急産科ケアへのアクセスの悪さを示している.加えて女性の地位・決定権の低さ,早婚,女性性器切除などの社会経済文化的要因が,首都に比較して極めて高い妊産婦死亡率,乳児・5歳未満児の死亡率の原因となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?