文献詳細
文献概要
特集 高齢先進国のビジョン
「依存と分断」のシステムを超えて
著者: 武内和久12
所属機関: 1マッキンゼー&カンパニー 2前 厚生労働省医政局
ページ範囲:P.686 - P.690
文献購入ページに移動 近い将来,気づいたら日本の医療システムは主要国の中で最も機能の低いものとなる.そして財政・サービスともにハードランディングを余儀なくされる.私はこのような危機感を持っている.
理由は,日本の医療を「システム」として見た時,個別課題に目を奪われる余り,システム全体の機能を強化し,発揮させるメカニズムが弱いからだ.医療システムに関わるステークホルダーが,専ら個別利益・個別解の達成に焦点を当てている間に,システム全体としての機能が脆弱となっている.住民はより便利で手厚い医療を,医療機関は報酬点数を,保険者は負担金の減を,行政は事件や摩擦の防止を,といった個別解に専ら精力を注いでいる.その結果,リソースは減耗し,システム全体にストレスが高まりつつある.
理由は,日本の医療を「システム」として見た時,個別課題に目を奪われる余り,システム全体の機能を強化し,発揮させるメカニズムが弱いからだ.医療システムに関わるステークホルダーが,専ら個別利益・個別解の達成に焦点を当てている間に,システム全体としての機能が脆弱となっている.住民はより便利で手厚い医療を,医療機関は報酬点数を,保険者は負担金の減を,行政は事件や摩擦の防止を,といった個別解に専ら精力を注いでいる.その結果,リソースは減耗し,システム全体にストレスが高まりつつある.
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