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特集 病院の評価─課題とこれから
病院機能評価の課題とこれから
著者: 河北博文1 菅原浩幸2
所属機関: 1公益財団法人日本医療機能評価機構 2公益財団法人日本医療機能評価機構 企画室
ページ範囲:P.24 - P.28
文献購入ページに移動病院機能評価とは,病院を第三者が評価し,病院活動の改善を促す仕組みである.わが国では,日本医療機能評価機構が平成9(1997)年に病院機能評価事業を開始し,15年を経過した.現在では認定病院数は2425病院,施設割合では28%を占めるに至っており(平成24年9月7日現在),15年間で一定の定着をみた.また的確に病院を評価するためには,病院活動のあるべき姿を記したスタンダード(評価項目)が必要であるが,医療環境等の変化とともに評価項目も改定を重ねている.事業開始当初の第1世代(Ver2~Ver3:種別版評価項目),ケアプロセス評価の導入や医療安全を重視した第2世代(Ver4~Ver6:統合版評価項目)を経て,平成25(2013)年4月からは第3世代の評価項目体系である「機能種別版評価項目」を適用する予定となっている.
翻って15年前の病院の姿を思い浮かべてみると,現在の病院は医療の質や安全の面で大幅に進歩しているように思う.もちろん医療環境の変化に対応しようと日夜努力している病院自身の取り組みによるものだが,それを効果的に支援する仕組みとしての病院機能評価も一定の役割を果たしてきたものと考えられる.しかしながら一方では,「認定を受けてもメリットがない」「受審しても職員が疲弊するだけ」などの意見も聞かれる.そこで,病院機能評価の現状を整理し,将来の展望について考察してみたい.
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