病院72巻10号

2013年10月発行

特集 地域包括ケアと病院 【事例】地域包括ケアと病院

―都市部民間病院―医療・介護・住まいの複合型プロジェクトの到達点と課題

著者： 山本五十年¹³ 猪口貞樹¹⁴ 鈴木紳一郎¹⁵ 山本仙子¹² 小宮山学¹ 早坂啓伸¹ 石井信朗¹ 白土玲子¹ 渡辺多恵子¹ 片岡キミ² 青木健二² 西仙浩¹²

所属機関： ¹医療法人救友会 ²株式会社メディトピア湘南 ³東海大学医学部救命救急・地域医療連携講座 ⁴東海大学医学部外科学系救命救急医学 ⁵財団法人同友会 藤沢湘南台病院

ページ範囲：P.799 - P.803

　人類史上，類を見ない少子化を伴った超高齢化社会が到来しようとしている．根本的な対策が行われないまま少子化と長寿命化が進むと，2010年に23.0％であった高齢化率が2025年に30.8％，2050年には41.0%に到達し，2055年には1人の高齢者を1.3人の現役世代で支える壮絶な未来へ変貌すると推定されている^1）．

　高齢化対策の核心は，どのような医療，介護，福祉と暮らし，生活支援をどのように保障するかであることは言をまたない．そのためには，都市部の高齢化対策だけでなく，限界集落を含む，地域の共同体をどのように再生するかの議論が不可欠である．この地域再生のための新しい社会システムが，医療，介護，予防，住まいおよび生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステム^2）であると言うことができる．

参考文献

1）内閣府：1.高齢化の状況．平成23年版高齢社会白書．内閣府ホームページ，2011　http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2011/zenbun/html/s1-1-1-02.html

2）厚生労働省老健局：地域包括ケアシステムについて．厚生労働省ホームページ，2013　http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai15/siryou1.pdf

3）厚生労働省医政局指導課：在宅医療・介護あんしん2012．厚生労働省ホームページ，2012　http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/anshin2012.pdf

4）厚生労働省：（2）「出口の問題」について．「救急医療の今後のあり方に関する検討会」中間とりまとめ．2008　http://www.mhlw.go.jp/

5）山本五十年，小宮山学，寺内勇，他：救急医療の後方支援とグループ診療．期待されるグループ診療（日本プライマリケア連合学会監修）．pp219-234，社会保険研究所，2012

6）山本五十年，小宮山学，寺内勇，他：新たな高齢者医療プロジェクトへの挑戦．高久史麿（監修）：日本再生のための医療連携．pp227-231，ライフメディコム，2012

7）山本五十年：急性期医療と連携した新たな複合型医療・療養支援事業への挑戦．地域再生統合本部，第6回健康・医療のまちなかづくりに関する有識者実務者会合．2010　http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/

8）湘南真田クリニック：平成24年度在宅医療連携拠点事業の報告．平成24年度在宅医療連携拠点事業．厚生労働省ホームページ，2013　http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/renkeikyoten/2013/201301_02_block/04035102.pdf