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文献詳細

雑誌文献

病院72巻11号

2013年11月発行

文献概要

特集 診療支援業務の新潮流

疾病・健康管理における医療事務職の役割

著者: 土屋由美1 宇井好美2 中尾歩惟3 赤司朋之4 平井愛山5

所属機関: 1千葉県立東金病院 看護局外来 2千葉県立東金病院 疾病管理・地域連携室 3医療法人社団シマダ 嶋田病院 診療支援課 4医療法人社団シマダ 嶋田病院 内科 5千葉県立東金病院

ページ範囲:P.878 - P.880

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 今,わが国は,少子高齢化という人口構造の激変とともに,疾病構造が大きく変化し慢性疾患とその合併症の急増した事により,医療の需給バランスがくずれ,世界に誇る社会保障システムである国民皆保険制度は風前の灯火であり,その対策は急務である.この大きな課題の解決に向けて,今後の展開が期待されるのが,糖尿病をはじめとする慢性疾患の重症化防止の取り組み,すなわち疾病管理による慢性疾患の重症化防止である.

 なかでも過去20年間で3倍に増加した糖尿病は,単に血糖値が上昇する疾患ではなく,様々な全身合併症を引き起こし,腎臓では,腎症から腎不全を経て人工透析となり,心臓血管系では動脈硬化症の進展により心筋梗塞・脳梗塞を高頻度に合併することから,近年糖尿病の重症化防止が大きな流れとなり,国も重点政策課題の1つに取り上げ,この6月に発表された日本再興戦略では,優先的に取り組む課題として,糖尿病透析予防が取り上げられている.その背景には,2012年4月に,医師・看護師・栄養士によるチーム医療で2期以降の糖尿病性腎症患者に介入して腎症の進展防止を図る「糖尿病透析予防指導管理料(350点)」が導入され,一定の成果を上げてきたことがある.同年8月には,厚労省のホームページに,糖尿病透析予防の好事例が掲載された(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01-02.pdf).

参考文献

1)平井愛山:厚生労働科学研究費補助金(医療安全・医療技術評価総合研究事業)(総合)研究報告書,日本版EHR(生涯健康医療電子記録)の実現に向けた研究(19252701)分担研究報告書『日本版Regional EHRを創る』2012
2)前田宏美,平井愛山:当院の糖尿病透析予防指導管理の取り組み:多職種協働のワークフローとその成果,日本医療マネジメント学会雑誌 13:207,2012
3)平井愛山,前田宏美:糖尿病診療における医療連携:循環型医療連携の現状と今後の課題:地域医療連携から地域疾病管理へ最新臨床糖尿病学下─糖尿病学の最新動向,日本臨床70,増刊5最新臨床糖尿病学(下):604-613,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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