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文献詳細

雑誌文献

病院72巻12号

2013年12月発行

文献概要

連載 世界病院史探訪・9

ライデンのペストハウス

著者: 石田純郎1

所属機関: 1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑

ページ範囲:P.927 - P.928

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 ヨーロッパでは西暦541年に疫病(plague)が流行したことが記録に残っているが,以後疫病の流行が繰り返された.後にペストと呼ばれるようになる,感染力が強く死亡率の高いこの伝染病は,ヨーロッパの人口を半減させ,文化や産業の停滞を招いた.11世紀の十字軍,14世紀のモンゴル軍による人の大量移動により,この疫病は猖獗を極めた.オランダでも流行し,アムステルダム,ウトレヒト,ライデン,ゴーダなどの都市外壁の外側に,16世紀から17世紀にかけてペストハウスが置かれた.

 修道院は病人や困窮者を収容し,それが19世紀に近代的な病院に専門分化した.院内感染を防ぐため,修道院の困窮者収容施設には,伝染病患者の入院は禁じられた.疫病患者を健常者から隔離するため,都市の外側にペストハウスが置かれた.人棄的施設である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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