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特集 新たな専門医制度と病院
日本脳神経外科学会の立場からみた専門医制度
著者: 鈴木倫保12
所属機関: 1日本脳神経外科学会専門医認定委員会 2山口大学大学院医学系研究科脳神経外科
ページ範囲:P.944 - P.950
文献購入ページに移動学会の立場からの歴史的俯瞰
本邦では,各学会がよりよい医師の育成を目指し,それぞれ独自の専門医制度を長年月掛けて作り上げてきた.しかし,その内容は必ずしも統一性が無く,各学会主導で様々な教育システムや評価基準による専門医・認定制度が制定され,乱立状態となる不幸な時期があった.
そのような問題を解決すべく,1981年に学会認定制協議会が設立され,1986年には日本医師会,日本医学会,学会認定制協議会三者の協議会が発足して,専門医・認定医の在り方が検討されるようになった.1999年から脳神経外科は,「外科」の二階部分のsubspecialtyではなく,独自の基本的診療科として一階部分に位置付けられている.2001年,学会認定制協議会は専門医認定制協議会と改称され,懸案であった「専門医の広告」を基本的診療科から開始する予定であった.その後,厚生労働省はこれらの団体の動きを先取りする形で,9項目の「外形基準」を確認することで47学会における専門医の一般広告を承認してきた.2003年に専門医認定制協議会は日本専門医認定制機構となり,2008年には社団法人日本専門医制評価・認定機構と改称し,専門医の質を担保するために各学会に対して専門医制度の見直し・改善を求め,われわれもそれに対してプログラム制度の充実等,応えてきた歴史がある.
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