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文献概要
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書評 不毛な医療訴訟を防ぎたいすべての関係者へ―ダグ・ヴォイチェサック,ジェームズ・W・サクストン,マギー・M・フィンケルスティーン(著)前田 正一(監訳),児玉 聡,高島 響子(訳)『ソーリー・ワークス! 医療紛争をなくすための共感の表明・情報開示・謝罪プログラム』 フリーアクセス
著者: 田中まゆみ1
所属機関: 1北野病院 総合内科部
ページ範囲:P.109 - P.109
文献購入ページに移動しかし,医療訴訟に勝者はいない.信頼を裏切られた患者家族だけでなく,疑われたうえ「訴訟中は何もしゃべるな」と厳命される医療者もまた苦しむ.司法解剖がされたとしても,その結果は遺族にも医療者にも知らされることはないので,再発防止にも役立たない.最終的には医学的に医療過誤とは言えないという結論で終わることも多いが,それを「医療とは元々不確実で未熟なものであり,司法でそれを裁くには限界がある」というふうにではなく,「医療訴訟では患者側が勝つことは難しい」というように受け止められてしまう.
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