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雑誌目次

雑誌文献

病院72巻3号

2013年03月発行

雑誌目次

特集 中小病院は生き残れるか

巻頭言

著者: 山田隆司

ページ範囲:P.177 - P.177

 現在のわが国の医療機関は,高度先端医療を担う総合病院と外来診療や在宅医療サービスを提供する診療所への2極化が進んでいる.医療費の削減,経営重視という流れの中,病床削減の主な標的となってきたのは地域の中小病院であり,あらゆる面で中小病院を取り巻く経営環境は極めて厳しいものとなっている.しかし一方でこれまで日本の地域医療を支えてきたのは多くは中小病院であり,地域の中小病院なくして日本の地域医療は守れないことも事実である.

 中小病院には地域医療においてどういった役割を求められているのであろうか? そのために中小病院にはどういった改善が必要なのだろうか? 地域医療を維持するためにどういった政策の変更が望まれるのだろうか?

医療制度の今後と中小病院の展望

著者: 真野俊樹

ページ範囲:P.178 - P.183

■医療の2つの方向性

 その提供体制も財源も含めて多くのステークホルダーが医療に関与するようになってきた.言い換えれば,厚生労働省を中心に,日本医師会や中医協(中央社会保険医療協議会)の1号側である支払者の思惑で決めることができる時代ではなくなってきた.

 その一番大きな理由は,医療における産業的側面が大きくなってきたことにあると考えている.ここでいう産業的側面とは,混合診療の解禁論や株式会社の参入論ではなく,高度で高額な医療が,21世紀におけるライフサイエンスの発展に伴い増えていることを指す.がんに対する重粒子線治療では数百万円のコストがかかるし,最近注目されている加速型ホウ素中性子補足療法ではそこまでではないにせよ,100万円単位の治療費が必要になるであろう.また,抗がん剤でも1回の投与が何十万円単位の薬剤も増えている.再生医療もある.ドラッグラグやデバイスラグの解消も大きな目標になっている.

地域医療計画と民間医療機関の果たすべき役割

著者: 長谷川学

ページ範囲:P.184 - P.188

■医療計画とは

 わが国の医療体制については,病床の量的整備は相当程度,進んできた反面,地域的な医療資源の偏在や,医療施設間の機能連携が不十分であることが指摘されてきた.1985(昭和60)年に医療法が改正され,医療資源の効率的活用を図りつつ,人口の高齢化,医療技術の進歩,疾病構造の変化に対応した適正な医療を確保するため,各都道府県は医療計画を作成することになった.

 医療計画は1986(昭和61)年8月に施行されて以来,5年以内の期間ごとに改定を重ね,全ての都道府県において医療計画の改定が行われている.当初は医療圏の設定と必要病床数の算定が主眼に置かれたが,近年では,適切な医療の確保に加え,医療資源の地域格差の是正及び公平性の確保,医療機能分化と連携の推進,患者の視点の尊重,安全,安心な医療の確保,患者に対する情報の提供と選択の支援等がその目的として打ち出されている(表1).

地域連携と中小病院―医師会の立場から

著者: 野中博

ページ範囲:P.189 - P.192

 平成22(2010)年5月に厚生労働省が公表した「平成20年医療施設(静態・動態)調査・病院報告」1)の「東京都の医療施設」結果によれば,東京都の病院数は648施設で,そのうち一般病院は594施設で精神科病院は54施設,この一般病院594施設のうち199病床以下の中小病院数は429施設であり,このうち99病床以下は262施設である.精神科病院54施設のうち199病床以下は23施設であり,このうち99病床以下は10施設である.ちなみ病床総数は12万8243床,そのうち一般病床数は8万2396床,精神病床数は2万4585床である.

 これからの超高齢化社会を支えるために,医師会としては「中小病院は生き残れるか」ではなく「中小病院には生き残ってもらう」必要があると言わざるを得ない.中小病院を簡単に定義することは困難であるが,本論では病床数が199病床以下の病院を中小病院と考え,これからの地域における役割と期待について医師会の立場から考えたい.

中小病院は残らなくてはならない―公的病院の戦略

著者: 金丸吉昌

ページ範囲:P.193 - P.196

 まずはじめに「中小病院は生き残れるか」ではなく「中小病院は地域住民のために残らなくてはならない.いかに残るか」と捉えている.

 現在,多くの公的中小病院は,医師・看護師等の確保の困難を抱えている.このことそのものが経営を悪化させる要因にもなっている.公立病院改革プランによる経営指標の数値目標を設定し,改善に向けて努力はしているが,公という仕組み上,本質的な限界の部分もあり,特に,山間僻地,離島では極めて厳しい現状にあると思う.このままだと市町村財政の厳しさと相重なって,経営的に大変難しいと考えている.しかしながら,しっかりと残ってその使命を果たすことが大変重要だ.

民間中小病院が担うべき役割・機能とは―全日本病院協会「地域一般病棟に関する調査結果」より

著者: 三浦祐一

ページ範囲:P.197 - P.202

 「地域一般病棟」の概念は,2001年9月,四病院団体協議会の高齢者医療制度・医療保険制度検討委員会報告書において,全日本病院協会(以下,全日病)を中心に纏められた概念である.地域(主として一次医療圏・生活圏)の医療を支える地域密着型病棟(病院)であり,地域住民,在宅療養中の患者,介護施設入居者,等を対象として,連携を中心とした地域包括ケアを推進する病棟(病院)である注1)

 その役割としては,下記のようなものが挙げられる.

―【事例 公的病院の経営改善】―地域一般病院の経営改善への取り組み―綾川町国民健康保険陶病院

著者: 大原昌樹

ページ範囲:P.203 - P.206

 当院は,1951(昭和26)年,医療の乏しかった香川県の陶村に国保診療所として開設,その後,1974(昭和49)年に病院となり現在に至っている.陶村から4村合併で綾南町,2006(平成18)年には綾上町と合併し現在の綾川町となった.地域住民の要望で,病院名に旧村名を残している.綾川町の人口は2万5000人,高齢化率28%,農業を中心としたのどかな町である.

 当院の理念は,「心の通う医療で,地域に愛され,信頼される病院を目指します」「医療のみならず,保健・福祉と連携し,地域包括ケアシステムを構築することによって地域の発展に努めます」の2つである.2004(平成16)年に,1km離れた十瓶山のふもとに新築,移転した.その際に,国保総合保健施設綾南(健康福祉課保健部門,老人介護支援センター,地域包括支援センター,訪問看護ステーション,病児保育室)を併設した.また,2009年(平成21年)に,介護老人保健施設あやがわも併設,医療,保健,福祉・介護施設が集まり,「十瓶の里」と称し,綾川町における地域包括ケアの拠点として整備された(図,表1).

―【事例 公的病院の経営改善】―「地域包括医療・ケア」の実践と中小病院―市立大森病院

著者: 小野剛

ページ範囲:P.207 - P.210

 国では,日常生活圏域で「医療」「介護」「予防」「生活支援」「住まい」の5つの視点での取り組みが包括的かつ継続的に行われる「地域包括ケア」の概念を提示し推進している.当院は,国民健康保険診療施設として1998年から全国国民健康保険診療施設協議会の基本理念である「地域包括医療・ケア」(表1)を実践する中小病院である.

―【事例 民間病院の戦略】―専門特化型病院─精神科救急への選択と集中―成仁病院

著者: 片山成仁

ページ範囲:P.211 - P.214

 成仁病院は,2007年に開業した急性期専門の精神科単科病院である(表1,図1).精神科病院は23区内には比較的少ないが,都下には多く,足立区にも古くからの名門精神科病院が4軒ある.

―【事例 民間病院の戦略】―在宅を支える療養病床の経営戦略―池端病院

著者: 池端幸彦

ページ範囲:P.215 - P.219

■当院での在宅療養支援病院の取り組み

 当院は,長寿国日本の中でもトップクラスの長寿県である福井県にあり,その中でもさらに片田舎で高齢化率も高い,福井県越前市南部の「王子保(おうしお)」地区(人口約6500人)にある.1959年,池端医院として開業,1974年に30床の病院を新築し,1989年に私が父から継承し,①信頼され愛される病院,②地域に根差した「かかりつけ病院」,③常に考え学び向上心を持ち続ける病院を院是として,現在も当地区内唯一の医療機関として小規模病院を継続している.病床は1992年の介護力強化病院を経て,現在は全床準完全型の療養病床(医療型19床,介護型11床)を,2010年から在宅療養支援病院,2012年6月からは強化型在宅療養支援病院として運営している(表1,図1).

 全床療養型病床でありながら,地区内に他の医療機関がなく患者の年齢層も幅広く,一次救急疾患への対応が必須であった.またある程度の救急機能を維持しつつ在宅療養機能を発揮するために,在介センター,通所リハ・介護,訪問看護・リハ・介護,居宅介護支援等を順次開設し,いわゆる保健・医療・福祉のミニ複合体を形成し,小病院ながら現在職員数は常勤で120人を超える.当初はケアミックスを選択したかったが病床過剰地域のため増床できず,これまで両タイプの療養病床を使い分けることで対応している.

―【事例 民間病院の戦略】―プライマリケアホスピタル構想―地域包括ケアシステムにおける位置づけ─医療法人財団天翁会

著者: 天本宏

ページ範囲:P.220 - P.224

 これから想定される外部環境の変化は,人口構成,家族構成,国家戦略・シナリオの推移である.

 今後90歳以上の人口は図1のごとく30年以上も急速・大幅に増え続け,550万人にも達する.また人口オーナス(負荷)現象により現役が減り,看護・介護職員の確保が困難となる一方で,高齢者夫婦,単身高齢者が増えていく.

グラフ

甲状腺疾患を専門に75年 伊藤病院

ページ範囲:P.161 - P.164

 伊藤病院は1937年の創業から75年を迎えた.現行法に「甲状腺科」はなく「内科・外科・放射線科」という標榜になるが,甲状腺疾患のみに特化した病院である.伊藤公一院長に話を聞いた.

 伊藤公一医師が院長職を継いだのは1998年.継承時に既に専門病院として確固たる地位を築いていたがさらに発展させ,この15年間で初診患者数は3倍に増加,60床の病院規模ながら外来数は現在1日約1000人,年間30万人にも上る.手術数も2倍に増加した一方,平均在院日数は12日から6日に短縮した.

連載 アーキテクチャー 第218回

淀川キリスト教病院

著者: 湯淺篤哉

ページ範囲:P.168 - P.175

■建設経緯

 戦後間もない1949年,創立者ブラウン医師が米国南長老教会外国伝道局から日本へ派遣され,病院建設の候補地として西日本各地を調査し,在日本南プレスビテリアンミッションに報告した.設立準備委員会は会議を重ね,日本第二の都市・大阪市中心部に程近く,戦争の被害も甚大で医療過疎地となっていた大阪市東淀川区淡路に土地を取得し,1955年にまず淀川基督教診療所を開設した.その後,病院開設の認可が下りた1956年76床の淀川基督教病院が設立された.

 2000年の医療法改正を機に建替計画がもちあがり,近隣用地取得・現地建替えも模索したが条件が合わず,遠隔地への移転も模索し始めた.2007年近接地への移転を望む地域住民約55,000人の署名もあり,旧病院から約600m南側の大阪市浄水場跡地が購入取得可能となった.地元大阪では「淀キリ」の愛称で親しまれ,地域密着型でありながら救急医療・急性期医療を提供し続けてきた淀川キリスト教病院は,分散配置されていた旧病院から新病院に移転統合されることとなった.

医療管理会計学入門・12【最終回】

病院原価計算の現状・課題と共通原価計算制度の必要性

著者: 荒井耕

ページ範囲:P.230 - P.233

■サービス別原価計算の現状

 2000年代後半のDPC別包括払い制の本格化(適用病院の拡大)に伴い,DPC別原価計算を中心に,サービス別原価計算が一部の先駆的な病院で普及し始めている.2009年5月に全DPC対象病院(2008年度)に対して実施した調査1)では,DPC別原価計算が12.0%の病院で実施されており,患者別(8.0%)や行為別(6.7%)の原価計算もわずかであるが見られた.また,DPC別や患者別には,病床規模による違いがある程度有意に観察され,大病院のほうが実施率が高い.さらに,規模の影響を避けるために規模を統制して公私間を比較したところ,患者別では統計的に有意に,DPC別では十分な有意性まではないものの,私的病院のほうが実施率が高かった.部門別原価計算と同様に,DPC別・患者別原価計算も,大規模病院や私的病院での導入率が高いのである.

 同様に,規模を統制してDPC適用開始年度の早い(DPC経験が豊富な)病院と遅い(DPC経験の浅い)病院を比較すると,DPC別原価計算に関しては,十分な有意性はないものの,適用が早かった病院のほうが実施率が高い.さらに,ある公的病院グループを対象に実施した調査研究1)では,DPC対象病院とDPC準備病院という,DPC経験度の極めて異なる病院群間で比較すると,DPC別原価計算だけでなく,患者別や行為別の実施率もDPC経験豊富な病院のほうが有意に高い.DPC適用開始の時期とその後の経験が,DPC別原価計算などの導入に影響を与えていることが明確になった.

医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・79

地域包括ケアとMSW―取り組みの中で求められた専門性とその役割

著者: 竹内一夫

ページ範囲:P.234 - P.237

 2011年の介護保険法の改正で地域包括ケアの理念が規定され,医療・福祉・住居に関するシステムと施策の連携をはかり,住み慣れた地域で包括的にケアを推進する,仕組みの実現への取り組みが行われることとなった.本稿では,地域包括ケア推進の専門職の1つとしての医療ソーシャルワーカー(以下MSWとする)が発揮できる専門性,また地域包括ケアチームでの役割について検討を加える.

決算書類を読みこなす・3

経営分析(前編)

著者: 牧健太郎

ページ範囲:P.238 - P.241

■経営分析の入口

 決算情報を使った経営分析結果を読み取るためには,決算書を図でイメージすることが大切です.まずは貸借対照表と損益計算書の視覚イメージを改めて確認しておきましょう(図1).

 貸借対照表は,一定時点の財政状態(ストック情報)を「資産」「負債」「純資産」という3要素で表現します.資産や負債を表示する際には,資産を「流動資産」と「固定資産」に,負債を「流動負債」と「固定負債」に区分することにより,流動資産と流動負債のバランス(流動比率:詳細は後述)等の有用情報を決算書類の利用者に伝えることが可能になります(表1).

鉄郎おじさんの町から病院や医療を見つめたら…・66

在宅ホスピスケアを伝える―①なぜ絵本をつくったのか

著者: 鉄郎

ページ範囲:P.242 - P.243

 外国には死や病気をテーマにした絵本が多い.有名な『スヌーピー』にも,「白血病」を扱った絵本がある.チャールズ・M・シュルツ作『チャーリー・ブラウン なぜなんだい?』(岩崎書店)が,それである.ポール・ニューマンが「まえがき」を書き,日本語版の翻訳は小児科医の細谷亮太氏が担当し,柳田邦男氏が推薦のことばを寄せている.

 物語は,学校へ通うスクールバスの中で気分を悪くしたジャニスが,学校の保健室に行くところから始まる.高い熱があり,早退して家に帰った彼女はそのまま入院してしまう.心配するチャーリー・ブラウンやライナスは穏やかではない.とりわけライナスは,味わったことのない心の痛みを感じる.そして,いろいろなことを考えるほど,いったい何が起こっているのか,わからなくなってくる.そして,チャーリー・ブラウンに「なぜなんだい?」と問いかけるのである.

診療情報管理の最前線・5

嶋田病院における診療情報管理

著者: 野々下みどり

ページ範囲:P.244 - P.246

 嶋田病院(以下,当院)は2012年9月に創立50周年を迎えた,福岡県小郡市において唯一の急性期病院である(表1).病床数は少ないながらも,2011年5月には地域医療支援病院に承認され,創立以来「24時間,365日の救急医療の充実」を理念に,地域の救急医療に尽力している.また,救急医療に力を入れる一方,「住民の健康管理」のための情報提供も職員の行動基本方針とし,「病気の早期発見,早期治療」をテーマに様々なプロジェクトが組織され,活動をしている.

 当院の診療情報管理課の歴史はまだ浅い.病院機能評価(Ver.4)受審にあたり,2004年4月に診療情報管理室としてスタートした.病棟クラーク経験者の専従スタッフが診療録(紙カルテ)の管理やサマリー督促,ICDコーディングを主な業務としていた.筆者は2002年に診療情報管理士認定試験に合格していたものの,当時は医事課に所属しており,その頃はそうした業務のサポートをする程度の関わりであった.

リレーエッセイ 医療の現場から

「喫茶・りんり」から「臨床倫理部」創設へ

著者: 板井孝壱郎

ページ範囲:P.247 - P.247

 近年「医の倫理」をめぐる状況は大きく変貌し,生命科学研究や新薬開発,医師主導型臨床研究等における「研究倫理」の問題,そして終末期医療における延命治療の差し控え・中止や,遺伝子診断等をめぐる「臨床倫理」の重要性がますます注目されるようになっています.安全管理業務や医療の質向上など,病院機能評価をはじめとする医療マネジメントを考えるうえでも,今や「倫理」は欠かせない時代となりました.もはや,ただひたすらに「患者のために」というモラル意識や善意から,医療従事者が“粉骨砕身,懸命に身を捧ぐ”という姿勢だけでは対応しきれない「倫理的問題」が頻発している状況です.

 「いったいどうすればよいのか…!」と“苦悶に満ちた”とさえ言えるような倫理的ジレンマに遭遇した医療スタッフを支援する「倫理コンサルテーション」を担う人材育成は,欧米諸国では2000年以降急速に普及しつつある一方で,日本国内では極めて不十分なままであると言わざるを得ません.

特別記事

広域大災害に対する病院の備え

著者: 河口豊

ページ範囲:P.226 - P.229

 東日本大震災(以下,3.11という)から2年が経った.しかし,復旧・復興は地域によってかなり差が出ている.加えて福島原子力発電所の破壊と放射能汚染が発生し,今まで経験したことがない大震災となった.3.11の特徴の1つである.地域ごと破壊された地域では住民が元に戻れず,人口減少や構成の歪が見られる.

 そして近い将来に首都直下型地震,東海地震・東南海地震・南海地震あるいはこれらの3連動地震が確実視されている今日,われわれはできるだけ被害を小さくする減災の考え方で対策を講じなければならない.特に救援・救護の起点の1つとなる病院は大災害に対応する準備が必要である.

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書評 MSWの実践知の結晶―村上 須賀子・竹内 一夫(編)『医療ソーシャルワーカーの力 ─患者と歩む専門職─』

著者: 炭谷茂

ページ範囲:P.237 - P.237

 済生会は,明治天皇によって102年前に創設された.生活困窮ゆえに医療を受けられない人に対して医療サービスを提供するために設立された.

 社会保障制度が充実した今日でもこの役割は,最近の社会経済状況から著しく増大している.精神障害を抱えた若いホームレスが目立つようになった.増加している刑務所出所の高齢者の前には厚い社会の壁が遮る.中には糖尿病,肝臓病などの疾病を持つ人もいる.これらの人に対して済生会は,平成22年度から「なでしこプラン」を策定して援助を行っている.

次号予告/告知板

ページ範囲:P.248 - P.248

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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