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特集 中小病院は生き残れるか
医療制度の今後と中小病院の展望
著者: 真野俊樹1
所属機関: 1多摩大学統合リスクマネジメント研究所
ページ範囲:P.178 - P.183
文献購入ページに移動その提供体制も財源も含めて多くのステークホルダーが医療に関与するようになってきた.言い換えれば,厚生労働省を中心に,日本医師会や中医協(中央社会保険医療協議会)の1号側である支払者の思惑で決めることができる時代ではなくなってきた.
その一番大きな理由は,医療における産業的側面が大きくなってきたことにあると考えている.ここでいう産業的側面とは,混合診療の解禁論や株式会社の参入論ではなく,高度で高額な医療が,21世紀におけるライフサイエンスの発展に伴い増えていることを指す.がんに対する重粒子線治療では数百万円のコストがかかるし,最近注目されている加速型ホウ素中性子補足療法ではそこまでではないにせよ,100万円単位の治療費が必要になるであろう.また,抗がん剤でも1回の投与が何十万円単位の薬剤も増えている.再生医療もある.ドラッグラグやデバイスラグの解消も大きな目標になっている.
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