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特集 これからの看護教育と病院
文献概要
これからの看護教育を考えるにあたり私(井部)にとって原点となる2つのことがらがある.1つはフランスの病院での体験である.2004年に医療安全を確保するためにどのような看護体制をとっているかを視察しにパリの病院を訪れた.われわれ一行は,セーヌ河畔に位置する夕方のムラン・ミューロ病院にいた.看護学生が1人いたので看護教育について尋ねた.彼女は学校に入って手洗いなど基礎的なことを習うとすぐに臨床に出る.臨床のナースが先生のようなものであると言う.また分娩室で勤務していたベテランの助産師は,いつから独り立ちしたのかというわれわれの気弱な質問に,「卒業した翌日からよ」と言い,「学生の時にそのための準備をしてきたわけだから」と胸を張った1).
2つ目は,日本看護協会の調査報告である.新卒看護師の70%以上が「入職時1人でできる」と認識している技術が,看護基本技術103項目のうち4項目であったというデータである.それらは「基本的なベッドメーキング」「基本的なリネン交換」「呼吸・脈拍・体温・血圧を正しく測定」「身長・体重を正しく測定」であった(2002年 新卒看護師の『看護基本技術』に関する実態報告書)2).
2つ目は,日本看護協会の調査報告である.新卒看護師の70%以上が「入職時1人でできる」と認識している技術が,看護基本技術103項目のうち4項目であったというデータである.それらは「基本的なベッドメーキング」「基本的なリネン交換」「呼吸・脈拍・体温・血圧を正しく測定」「身長・体重を正しく測定」であった(2002年 新卒看護師の『看護基本技術』に関する実態報告書)2).
参考文献
1)井部俊子:マネジメントの探究,ライフサポート社,2007,p484
2)日本看護協会:新卒看護師の『看護基本技術』に関する実態報告書,2002
3)島崎謙二,日本の医療,東京大学出版会,2011,p8
4)前掲書3) pp10-11
5)磯部文雄:老いる首都圏─社会保障これから,社会保険研究所,2009, p2
6)国立社会保障・人口問題研究所:日本の世帯数の将来推計,2008
7)前掲書3)p11
8)猪飼周平:病院の世紀の理論,有斐閣,2010
9)宮島俊彦:地域包括ケアの展望〈その1〉課題と方向,社会保険旬報 2510:18-25,2012.10.11
10)宮島俊彦:地域包括ケアの展望〈その4〉医療と介護の統合,社会保険旬報 2513:24-31,2012.11.11
11)石飛幸三:「平穏死」のすすめ,講談社,2010
12)松谷明彦:「人口減少経済」の新しい公式,日本経済新聞社,2004(日経ビジネス人文庫,2009)
13)谷口真美:ダイバシティ・マネジメント多様性をいかす組織,白桃書房,2005
14)宇沢弘文:社会的共通資本としての医療を考える,宇沢弘文,鴨下重彦(編):社会的共通資本としての医療,東京大学出版会,2010,pp17-35
15)前掲書12) p245
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