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文献詳細

雑誌文献

病院72巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 女性医師のキャリアデザインと病院

女性医師のキャリアデザイン

著者: 野村恭子123

所属機関: 1帝京大学医学部 衛生学公衆衛生学講座 2帝京大学医学部 公衆衛生大学院 3帝京大学医学部 女性医師・研究者支援センター

ページ範囲:P.441 - P.445

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 直近の「医師・歯科医師・薬剤師調査」(平成22年12月31日)によれば,わが国の医師数は29万5049人で1),総務省による2012年7月の人口推計1億2756万1000人で算出すると,人口1000人当たり2.3人であり,OECD諸国における平均医師数(2011年3.1人)に達していない.

 医師不足が顕性化したきっかけに,2004年の新医師臨床研修制度・マッチングシステム導入がある.これにより大学研修医が不足し,大学から地域への医師派遣が困難となり,地方での医師不足が顕在し,産婦人科,小児科等の診療科偏在が深刻化,医療崩壊が社会問題となった.こうした医師不足時代において,女性医師の医師労働力への積極的な動員は医療界の共通認識となった2).ところが,私立医科大学同窓会のネットワークを活かして行った14校の合同調査3)によれば,女性医師は男性医師に比べ,「フルタイムよりもパートタイムワーカーとして働く割合が高い」「週の労働時間が短い」「専門医や医学博士の取得率が低い」等,性別により医師の働き方あるいはキャリアに違いがあることが明らかとなっている.

参考文献

1)厚生労働省:平成22年(2010年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/10/index.html
2)野村恭子:我が国の医師不足問題:医師臨床研修制度と医師の人的医療資源の活用.日本衛生学雑誌 66(1):22-28,2011
3)医師不足時代の女性医師の就労を考えるHP:医師不足時代の女性医師就労支援に向けた疫学研究~平成21-23年度文部科学省採択研究成果公開http://homepage3.nifty.com/dzb/
4)看護職員の労働実態調査「報告書」.医療労働 526:3-96,2010http://www.irouren.or.jp/jp/html/menu6/pdf/201007iryouroudou.pdf
5)野村恭子,他:女性医師の就労に影響を与える因子の検討.日本公衆衛生学雑誌 58(6):433-445,2011
6)Nomura K,Gohchi K:The impcat of gender-based obstacle on working status among women physicians in Japan.Social Science & Medicine 75(9):1612-1616,2012
7)安川康介,野村恭子:医師における性別役割分担─診療時間と家事労働時間の男女比較.医学教育学会誌 43(4):315-319,2012
8)野村恭子,他:結婚・出産が女性医師の職業満足度へ与える影響─2大学医学部同窓会調査より.医学教育学会雑誌 42(4):209-215,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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