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特集 病院の経営統合
経済学におけるM&A
著者: 宮島英昭1
所属機関: 1早稲田大学商学学術院
ページ範囲:P.514 - P.519
文献購入ページに移動M&A(Merger and Acquisition:合併・買収)が日本経済において存在感を高めたのは,図の通り1999年からである.それ以前のバブル期(1986~1990年)にも小さなブームがあったが,この時期の国内企業間のM&A(IN-IN)は限定されており,中心はもっぱら海外企業を対象とするM&A(IN-OUT)であった.三菱地所によるロックフェラービルの買収や,松下電器(現,パナソニック)による大手エンターテイメントMCIの買収が著名である.
その後,M&Aはいったん停滞した後,1999年からIN-IN,IN-OUT,さらに,海外企業による国内企業の買収OUT-INが並行して増加した.M&A件数の増加は2003年頃までは比較的緩慢であったが,株価が上昇した2004年から急増し,戦後初のはっきりとしたM&Aのブームを迎えた.レコフ社の集計によれば,ピークの2006年は2,775件,金額は約15兆円でGDPの約3%に達した.
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