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特集 病院の経営統合
公立・公的病院の統廃合の実態
著者: 伊関友伸1
所属機関: 1城西大学経営学部マネジメント総合学科
ページ範囲:P.532 - P.537
文献購入ページに移動全国の公立・公的病院で,病院再編の動きが起きている.その大きな原因となったのは,医師不足である.2006年の新臨床研修医制度を契機として若手・中堅医師の勤務先が流動化した.図1は,病床規模別1病院100床当たり常勤換算医師数の推移であるが,400床以上の病院で医師数が増加し,300床以下の病院のほとんどが医師数は増加していないことがわかる.
医療が,高度・専門化していく中で,時代に対応した医療を提供していくためには,病院も一定の規模が必要となっている.診療を行う医師にとっても,医師の多い病院であることで宿直等の負担が軽減し,救急等の対応にも余裕が生まれる.病院の規模が大きくなることで,研修機能を充実しやすくなる.特に,若い医師にとって,勤務先の重要な条件になっている専門医資格の取れる教育施設の体制を取りやすくなる.病院経営にとっても,病院の規模を拡大し,医師が集まることで,収益が向上することが期待できる.
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