icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院72巻8号

2013年08月発行

文献概要

連載 医療安全のこれから・1【新連載】

医療安全再考(前編)―遅すぎた革命から,これからの革命へ

著者: 長谷川敏彦1

所属機関: 1日本医科大学

ページ範囲:P.640 - P.643

文献購入ページに移動
 あれから15年弱が過ぎた.当時,2つの大学病院のありうべからざる事件によって,医療事故は社会の問題となった.そしてそれから数年後には,全国に医療安全の体制が整えられはじめ,事故の予防は医療界のみならず社会の課題となった.この間,いったい「何が起きたのか?」.国をあげての取り組みは効を奏したのだろうか.確かに医療事故関連の新聞記事は急増した2005年頃をピークに減少に転じ1),医療関連訴訟もこの数年減少に転じている.しかし現場での事故は減少しているのだろうか.

 実はこの15年は同時に病院経営が大転換した期間でもあった.私たちは何に取り組み,何を達成し,何をいまだ成し遂げえていないのだろうか? つまり,いま「何が起きているのか?」

参考文献

1)長谷川敏彦:医療安全政策の国際動向とその方向性(総論).病院 61(5):402-406,2002
2)WHO:World Alliance for Patient Safety.2004
3)米国医療の質委員会/医学研究所(著),医学ジャーナリスト協会(訳):人は誰でも間違える-より安全な医療システムを目指して,日本評論社,1999
4)長谷川敏彦:医療安全の基本概念.保健医療 51(3):108-113,2002
5)ジェームズ・リーズン(著),塩見弘(監訳):組織事故,日科技連,1999
6)長谷川敏彦(編):医療安全管理事典,朝倉書店刊,2006
7)フランツ・J・インゲルフィンガー,1977/長谷川敏彦(訳):健康-それは統計の問題なのか,それとも感じかたの問題なのか.ライフサイエンス:13(12).1986
8)Relman AS:Assessment and accountability:the third revolution in medical care. N Engl J Med 319(18):1220-1222,1988
9)長谷川敏彦:医療白書2000年度版─プロローグ 医療界に押し寄せる革命的潮流─,日本医療企画,2012.
10)長谷川敏彦(監修):クリティカル・パスと病院マネジメント─その理論と実際,じほう,1998
11)長谷川敏彦:病院崩壊からの再生─「匠と女将の世界」から「価値共創組織」へ,病院 70(4):296-299,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら