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文献詳細

雑誌文献

病院72巻9号

2013年09月発行

文献概要

特集 医療計画はこう変わる

地域医療ビジョンの考え方と課題

著者: 島崎謙治1

所属機関: 1政策研究大学院大学

ページ範囲:P.689 - P.695

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 地域医療ビジョンは明確な定義があるわけではない.しかし,単なる普通名詞でもない.厚生労働省が特定の意味内容をもった言葉として用いているからである.本稿では,地域医療ビジョンの考え方について解説するとともに,その課題について考察する.

 なお,地域医療ビジョンを含め医療法改正案の内容等は,社会保障審議会医療部会(以下「医療部会」という)や社会保障制度改革国民会議(以下「国民会議」という)の今後の議論によって変わりうる.例えば医療部会では,知事会代表や医師会代表の委員から,平成27(2015)年度からの地域医療ビジョンの策定・実施は拙速だといった反対意見が出されており,現在の案でまとまるかは予断を許さない.また,国民会議はその設置期限〔平成25(2013)年8月21日〕が定められており,その前に報告書の取りまとめが行われるはずであるが,本稿は7月上旬までの情報に基づき執筆したものであることをお断りしておく.

参考文献

1)第29回社会保障審議会医療部会(平成25年6月20日)資料1-2「医療法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要」
2)伏見清秀:診療報酬制度におけるDPC包括評価の意義.田辺栄治,尾形裕也(編著):次世代型医療制度改革,ミネルヴァ書房,pp194-196,2009
3)第28回社会保障審議会医療部会(平成24年6月28日)資料1「一般病床の機能分化の推進についての整理:急性期医療に関する作業グループ報告」
4)第4回病床機能情報の報告・提供の具体的あり方に関する検討会(平成25年3月7日)資料4「機能分化を推進する仕組み」
5)第10 回社会保障制度改革国民会議(平成25年4月22日)資料「これまでの社会保障制度改革国民会議における議論の整理(医療・介護分野)」
6)島崎謙治:在宅医療の現状・理念・課題.国立社会保障・人口問題研究所(編):地域包括ケアシステム─「住み慣れた地域で老いる」社会をめざして,慶應義塾大学出版会,p136,2013
7)島崎謙治:日本の医療─制度と政策,東京大学出版会,pp376-377,2011
8)同上文献7)p377

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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