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特集 医療計画はこう変わる
PDCAサイクルに基づく医療計画の評価
著者: 尾形裕也1
所属機関: 1東京大学政策ビジョン研究センター
ページ範囲:P.713 - P.717
文献購入ページに移動医療法に基づく医療計画は,1980年代中葉のいわゆる「第1次医療法改正」による導入以来,大きな改革を経験することなく,基本的には病床規制のツールとして機能してきた注1).医療計画が大きく見直され,ほぼ現在の形をとるに至ったのは,制度導入以来20年を経た2006年のいわゆる「医療制度構造改革」ないしは「第5次医療法改正」を通じてであった.その詳細を論ずることは他の文献に譲るが注2),本稿との関連では,PDCAサイクルが導入されたという点が重要である.
例えば,平成19(2007)年7月20日付の都道府県知事宛厚生労働省医政局長通知「医療計画について」においては,「4疾病及び5事業については,地域の実情に応じて数値目標を定め,調査,分析及び評価を行い,必要があるときは変更することとされているが,これは医療機能に関する情報提供等とともに,住民にわかりやすい医療計画とし,より実効性を高めるために政策循環の機能が働く仕組みが組み込まれたことに留意すること」(下線は引用者)とされている.まさに「計画,実行」に加え,「調査,分析,評価,変更」という PDCAサイクルの「政策循環」が意識されているわけである.
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